2015年4月18日土曜日

私の還暦過去帳(571)


人の運命、

人はそれぞれに運命を持って生まれ、育ち、またその
運命に導かれて歴史に消えて行きます。
その様な人生周期も、全てが運命だといっていた人が
居ますが、その様な事も有り得ると感じます。
リーマンショック前のかなり不動産ブームの時でしたが、
私も少し投資に物件を探していた時があります。
オークランド・ヒールというサンフランシスコの湾が一
望に見渡され、ゴールデンゲートの通称、金門橋と
いう橋も霧の中に見えるという、かなり見晴らしのよ
い、すばらしい高級住宅地でした。
私にはその様な高級住宅は手が出せないのですが、
オープンハウスなどの広告が出ていると、参考に家を
見に行っていました。

そこに住んでいた引退した老夫婦でしたが、奥さんが
軽度の痴呆症を発症して、そこの邸宅を売り、引退者
ホームに入る用意を始めて、不動産屋に頼んで住宅
価格など、周りの売れた住宅価格を調べていたと言う
時でした。
奥さんがシャワーを浴びて電気ストーブを使い、それ
を消し忘れて火事を起こして、煙と一部寝室はかなり
の被害が出たようでした。
火災保険が出てホテルに避難して、住んでいた住宅を
どうするか考えていたら、滅多に出ない地域の邸宅で
す。直ぐに周りの不動産屋と火事などの事故物件を
扱う業者に、近所の知人の紹介で個人的に火事の事
故でもかまわないので、買い取って修理して住みたい

という希望者が出て来て、かなりの競争と、住宅の
争奪が出て、ホテル住まいの夫婦に丁重に代理人を
通して話して来る人、ホテルの受付にどうしても貴方
の住宅を修理して住みたいという嘆願書の様な手紙を
置いていく人、不動産屋が高額な直接オファーした価
格で、買い入れを申し込みする者、かなりの人数と
なったようです。
オーナーは火災被害の査定をして、買いたいと申し
込みをした人全員にオープンハウスの招待状を出して、
現場を見せてから5日以内に代理人の弁護士にオフ
ァーした価格を送る様にしてもらったら、まだ若いIT
ビジネス成功者の男性がどうしても欲しいと言う事で、
持ち主が火事の前に考えていた30%以上の価格で
オファーして来たと言う事です。
その男性の購入希望の条件に、『貴方がサンフラン
シスコ湾の素晴らしい景色を見たくなったら、いつで
も訪ねて来て下さい』と言う一言で、彼は売買契約
にサインしたという事です。
引退者ホームも火事で焼け出されたという事で、優
先的に入所が出来て、火事のあった邸宅を購入した
男性も、昔からその家にぴったり似合う家具も付け
て買いたいという申し込みで、殆どの家具もその家
に付けて売られて、引越しは簡単だったと言う事です。

それにしても人の運命などは、どう変化するか分か
らないものだと思います。引退者ホームの近くには
病院や、マッサージ専門の治療所に、リハビリ専門
施設もあり、年取って夫婦で引っ越していく先としては
好い環境の場所だと私も感じます。
これも運命で、その人の人生道行きと思います。

2015年4月4日土曜日

私の還暦過去帳(570)

肥満と飲料水の関係?

人生50年という言葉は、織田信長の時代の話でした。
その当時は60歳過ぎれば長寿と言われ、88歳の
米寿ともなれば、大きなお祝いをしたとか記録にあり
ます。
それから幾百年して、日本人男性の寿命は80歳
以下です。平均したら78歳ていどですが、医療や
環境、食生活などを総合すると、時代は様変わりし
ているのに、寿命は対して延びてはいないと感じます。
アメリカも肥満の人口が増えすぎたとか騒いでいます
が、お隣のメキシコが肥満大国のお株を奪うという
事になったようですが、それにしても、メキシコ政府
が行政命令で砂糖を大量に含む炭酸飲料水の宣伝
販売を規制することまで行くことは、かなり社会的に
医療保障や社会保障の兼ね合いから影響が大きい
と感じます。
アメリカでは宅配ピザなどを注文すると、サービスで
ソフトドリンクの1リッタボトルが無料で付くなどと、
商魂たくましいサービスが付いてくることがあります。

昔ですが中米からの移民家族が、何かあるとコカ・
コーラーを飲み、食事の時にも必ずテーブルに置い
てあり、水代わりにがぶ飲みしているのを知ってい
ますが、貧しかった移民前の生活では、清涼飲料
水などは買うことも無理な環境で育って、アメリカに
来て2リッタ入りが1ドルなどの値段で買えれば、
急に心豊かになったつもりで何も考えずに飲み始め
て居たようでした。
それもアメリカで見ているヒスパニック系のテレビは、
じゃんじゃんとアメリカの清涼飲料水の宣伝をしてい
るので、彼等のファミリーも、アメリカ生活の一部の
ように感じて、飲み物の悪害なども考えずに飲んで
豊かになった気分でいたと感じますが、カリフォル
ニア州の学校では、清涼飲料水の自動販売機を置
かない様になり、それも肥満対策の一環として決め
られた様ですが、子供達が学校で教えられた教育
で、健康対策のイロハを子から親が学び、教育さ
れて大きな意識改革がなされたと感じます。
それにしても子供の教育は大切だと思います。

私がアルゼンチンのサルタ州の田舎で農業をしてい
た50年も昔の時代もアメリカの清涼飲料会社の
宣伝と販売はかなりのものがありました。
しかし、田舎の現地人やインジオ達にしてみれば
高価な飲み物でした。普通は安物のワインなどを、
詰め替えの1リッタのソーダー瓶を買い、それで薄
めて割って飲んでいました。
今でも思い出しますが、馬車の荷台に10本入り
のソーダー瓶を入れた箱を荷馬車が、各戸に配達
していた様子を覚えています。
殆どが零細な個人企業の商店でしたが、配達され
たソーダー瓶は冷蔵庫で冷やされ、使う時は最初は
誰もが習慣の様に、台所のシンクにジャー!と一吹
してからソーダー水を使っていました。
ワインを入れてグラスに、並々と満たした冷えたソ
ーダー水入れ、食事の前にチーズやオリーブなどを
つまみながら飲むのも良いものでした。
アメリカのサンタバーバラの娘の家を訪ねた時に、
イタリアレストランで、お隣のテーブルで同じワインの
ソーダー水割を飲んでいたので、私も注文して久し
ぶりに飲みましたが、飲みながら昔の遠い思い出を
かみ締めていました。