2018年6月30日土曜日

私の還暦過去帳(600)

人生最後の引っ越し先、
人は戻らない片道の急行列車に乗車している様だと
言った人がいますが、また自分の人生は自分が有効
に使える時間だと感じます。
私が随分と前に始めたこのエッセイも、区切良く
600回を迎えました。
これも人生の特別な区切だと私自身感じています。
人はそれぞれに生き方も、人生に自分に与えられた
時間を有効に使って生きている方と、ただ漫然と何も
目的も、使命感も無く生きている方も居ます。
75歳を過ぎて、人生に有効に使える時間的な余裕も
無くなり、それでも日々漠然とした人生を生きてい
る人は、何か大きな損失の人生だと感じる事があり
ます。
人はそれぞれに運命を背負って長き道を歩くようだ
と言う形容も、これは本当に当たっていると感じます。
全ては自分自身の自覚と悟りに近い、心の意志だと思
う事がありますが、、自分自身が健康で、一晩寝れば
翌朝はスガスガしい気分でその日を迎えて、元気に
一日の仕事を始めることが出来る事が、近頃では
れが宝だと感じる様になりました。
今年の初めに42年前に最初にアメリカに来て購入し
ていた家に居たテナント65歳で年金も手にして、
生まれ故郷のサンディエゴに帰って行きましたが、
それを見て、我々も健康で元気な内に、階段が無い
平屋で、近所に歩いて買い物に行ける距離の所に
引っ越しを決めました。
その家は昔に15年ほど日本から来て住んでいた家で、
懐かしい子育ての思い出も詰まっている家です。
築70年近い古い家ですが、これまで少しずつ改築して
いたので、さほど古さは感じませんが、ワイフと最後
の家として少し手入をして住み易くしたいと考え、
改修工事を始めて、これまでにワイフと話して色々
な事を致しました。
基本的にこれから何事も無く住んで、気楽に過ごせ
るように、屋根や雨トヨの改修工事、内外の全体的な
ペイント塗代え、台所の機材を全部新品に交換しまし
た。室内のカーペットやハードウッドの交換も致しま
した。ガレージも整理して棚を増やし、外側のペイン
トを塗り替えました。
昔に野菜類を栽培していた畑は、もう一度耕して菜園
が出来る様にして、試しにトマトやキユーリ、獅子唐、
ナスにピーマンなどを植え付けて試しています。
淡々と毎日、出来る事から始めて今日まで殆どを終ら
せてしまいました。
これもヒスパニックの工事職人で、20年以上の付き合
いのある友人が手助けしてくれた事も大きなヘルプに
なりました。
毎日の様にワイフと出来上がりを見に行く楽しみも増
えて、毎日の日課に成ってしまいました。
今では菜園のトマトやキユーリなどは食べるぐらいは
収穫できます。
平凡な引退生活の最後の大きなプロジェクトに感じて
います。これまでの改修工事を経験して、人間の活力
や、ヤル気もこの工事を経て未だに自分に残っている
事に幸せに感じます。
亀の様に鈍い遅い仕事ですが、休まず、仕事のさぼり
も無く、淡々と毎日、計画立てて進めて行く事に、ス
トレスも無く一つずつ終わって完成していく達成感は、
人生の喜びとも感じています。
人生の区切を健康で何も支障が無い時に始める事が出
来たことは、ワイフと人生の良い区切と、そのスタート
であったと感じています。