2023年7月31日月曜日

私の還暦過去帳(783)

 移住の昔話,(7)

時代は刻々と変化して、過去の忘却の彼方に消えて行きます。
50年過ぎれば、人も時代的な背景も全部変わりますが、
日常着る服装のファッションも変化する様に、人々の考え
方も時代で激変することが多くみられます。
今日の話は昔の国際農友会の派米実習生でカリフォルニア州
に行き、農場で実習生として働き、休みの時に、ロサンゼル
スの小東京日本町に行き、そこで働いていた日本人女性と結
婚して、アメリカに永住して、家庭を築き、農場を開き、そ
こで生涯を終えられた人の話です。
彼は大学の先輩になる知人で、東北地方、農家の三男として
生まれて、高校を卒業すると大学入学資金を稼ぐので当時、
東京オリンピック開催準備の工事現場で二年ほど働き、そ
れと奨学金を得て農科大学に入学して、三年生の時に一年
間休学して、国際農友会派米実習生としてアメリカに渡り
ましたが、彼はアメリカでドルを稼ぐ事が主でした。

当時は一ドルが350円の時代で、かなりのドルを稼いで
日本に持ち帰ることが出来るという事の渡米でした。
彼の働いていた農場は日系2世の農場で、日本食を食べら
れ、2世が日本語を話すので、彼は良い農場だと話してい
ました。
彼は休日で小東京に遊びに行き、日本語を話せるバーに行
き、そこで日本人の若い女性と飲んでいたら、彼女が東北
弁を話し、郷里の町の近くの街に住んでいたという偶然で、
話が弾んで、年齢的にも大学に入学前に資金を稼ぐのに2
年も働いていたので、同じ歳と言うことで、それと同じ知
った友達が居たという事で、意気投合して彼女の身の上を
聞くと、青森の三沢基地に駐留していた米兵と結婚して、
アメリカに来たが、彼の家族と合はず、意見のズレで、
離婚して小東京に出て来て働いてい居ると言う事でした。

彼女も逞しい若者で、日本人の生活力のある努力家の大学
生が、休学してアメリカに来ている彼に一目ぼれしたと思
います。
偶然とは恐ろしいもので、二人が偶然とはいえ神様の導き
で巡り合ったと感じます。
彼はそのことを農場主の2世に話して、アメリカに住む
なら、ここの農場監督に住み込み、家付きの仕事をオフ
ァーされ、彼は彼女と結婚してアメリカに住むという事を
決断して、その話を承諾して、彼はビザが切れる前に日本
領事館に結婚届を出して、彼が若い時からの願望で、
アメリカ大陸横断自動車旅行をハネムーン代わりに、
彼女とドライブして、彼女が永住権を持って居たので、
彼のビザも伴侶として貰えて、アメリカに住むという事
を始めたという事です。
彼女も農家出身で、彼の仕事に理解があって、直ぐに子
供も生まれて、しばらくして、資金を貯めて、近郊に小さ
な農場を買い取り、ロス郊外に近郊野菜栽培農家と長く住
み、引退まで夫婦仲良く働いて、ロスの大都市の発展で
値上がりした農場を売却して、小東京の近くの老人ホーム
に引っ越しして、そこで生涯を終わったと聞きました。
彼が人生の決断で幸運をつかんだと感じますが、彼の努力
と勤勉家としての働きが彼の人生を決めたと思います。

2023年7月14日金曜日

私の還暦過去帳(782)

 移住の昔話,(6)

価値こそが人間が知るべき目的であるならば、それをたった
一つの単語で人間の経済行為や社会情勢のすべてを理解する
事は無理と感じます。
他国に移住しても、留学で長期滞在しても、仕事で駐在員と
して生活しても、日本の風習や習慣をそのまま、DNAの様
に脳に刻んで居る人を知っています。
価値観を日本の家庭で育った、教育を受けた、本人の社会
の環境で、一人の日本人の固定観念を持つ大人に育って来た
と感じる人が海外には居ます。
ある女性は日本でアメリカ人と結婚して、子供とアメリカに
来て、生活や習慣、価値観も違い、全て日本の価値判断で解
釈して、アメリカは、この社会は、教育は、住む地域の現状
も比較して、ふたこと目には
『アメリカは・・、教育は・・、政治は・・、地域社会は
・・、』と嘆きハズバンドと意見の相違を拡大させ、離婚し
て子供を連れて日本に帰国してしまいました。
仕事で来て駐在員として働き、いつも日本の本社の動静を
伺い、これからのチャンスもあるのに、それを捨てて日本
に帰って行く人もいます。
アメリカの中西部の田舎では、キリスト教の宗教戒律を生活
に取り入れて今でも生きている人達も多くいます。
移住する国、地域、人種など必ず理解して、自分の生活に
合うか、価値判断も大切と感じます。
『郷に入れば郷に従え。』のことわざもあります。英語で
は・・、
"When in Rome, do as the Romans do"

2023年7月4日火曜日

私の還暦過去帳(781)

移住の昔話(5)
移住して夫婦で外国に行く人。
移住先で現地人と結婚して永住する人。
恋人を現地に呼び寄せて結婚する人。
移住先で仕事や職場で知り合った人と同棲して住む人。
旅先で気の合った男女で長く旅をしている人。
私も日本を出て幾多の人と出会い、生活して知り合いにな
その人生模様を見て来ましたが、私が知り合いの男性は、
ブラジルのアマゾン河中流のサンタレーンと言う地域に移住
してピメンタと言う胡椒栽培をしていたのですが、彼は東京
出身で農業と縁が無い家庭に育っていたのですが、彼は農業
の志を持って、大学を卒業するとブラジルに移住して行きま
した。
彼はジャングルを開拓して家も家財も揃えて、長年恋人で会
った彼女を呼び寄せしたが、彼女は東京でハイヒールを履い
て勤めに出るオフイスガールで、農業は無縁の人でしたが、
ブラジルに来て現地にしばらく住むと、彼女は東京に離婚し
て帰ると申し出て、彼とじっくりと時間を取って話し合い、
彼も彼女の申し出を了承して、彼女に付き添って東京に戻
り、正式に協議離婚を役所で手続して、ブラジルに帰って
来ましたが、その後、彼はいつも行く銀行の受付現地女性
と結婚して、子供も3人も出来て、ブラジル人のワイフが、
農場の経理と営業もして、順調に農場経営をしていました
が、彼は肺癌で23年前に亡くなり、農場も子供の時代に
なっています。
私の友人は淡々と自分の夢を実現して、地球にグーグル
アースの衛星地図に残るような農場を残しています。