2021年1月13日水曜日

私の還暦過去帳(743)

 移住の昔話、(53)

国境警備兵は国の兵役で軍隊に入隊した兵士で、彼等の給

料はタバコ銭程度の安い給料だと言う事で、たかり、強要

など普通だと言う事で、こちらも用心していました。

相手はライフルに実弾を込めて所持しているので、注意し

ていました。

若いパラグワイ現地人の兵士は、「タバコを欲しい・・」

と言うので、タバコケースから1本取り出して火を付けて

やると、日本製ピースのタバコで、びっくりして吸ってい

るので、彼等はトウモロコシの薄皮に刻んだタバコの葉を

巻いて吸う様なタバコで、日本製のタバコなど初めての

経験だと感じていました。

宿泊所に帰り、後輩と夜遅くまでブラジルの彼が見て来た、

視察の現状を聞いていました。

彼が「移住は移民する国と、場所を間違えて最初のステッ

プを踏み間違えば、今まで見て来た移住地の様に苦労と、

無駄な時間的損失を多大に受けて、食べるだけで、子供の

教育や、人生の一度しかない時間のロスになる様だ」と言

う事を聞いて、考え込んでいました。

政府の計画移住政策で、移住して来た方々は全ての稲地

田畑を整理して家財道具も捨てて移住して来た人の苦労を

考えていない事が多く、その棄民的な政策と、フランス

政府がアルジェリア独立戦争でフランス人が1962年に

独立したアルジェリアから、南米のアルゼンチンなどに、

フランス人達を他の国に国策で移住させて、再移住して来

た時のフランス政府の政策を比較しても、大きな差があり、

フランス人達がアルゼンチンのフルモッサ州など再移住で

フランス政府輸送船で、アルジェリアで使っていたトラッ

ターの農機具や家財道具の全てを運び込み、多額の補助

金を払い定住して生産物が出来るまで、生活の保障までし

ていた事を考えれば、移住して貧困と生活苦に陥る事も無

いと考えていました。

農業は100年先を考えて投資するものであり、国の根幹

として食料自給が無い国は他国の食料政策に左右され、国

としての基盤も弱く、日本の現在の食料自給率が20%ほ

どで、それに比して、フランスなどは、ほぼ100%近い

自給率を持つ事が、国としての安定に繋がると感じていま

した。

恩師が「農学栄えて、農村廃れる」という言葉を教えて下

さいましたが、農学を持って、実践の行動で個人と地域と

国が栄える様にすることが一番の根本だと言う言葉を思い

出していました。

同期生の一人はブラジルで日本の富士リンゴを最初に栽培

して、苦労して育て、最後にはアフリカまで輸出するほど

までになり、すでに子供の時代になっています。

その夜、後輩と自分の人生指針をどの様に定めるか、真

剣に話込んでいました。

明日は開拓現場の原始林を切り開いて農地に替えている

開拓農家を訪ねる事にしていました。

アマンバイ農協に来て最初の夜は後輩と議論して、深く

考えて、少し眠れない夜になりました。

次回に続く。





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