2014年5月19日月曜日

私の還暦過去帳(521)



越南米粉麺加州桑港湾東沿岸地帯美食探求味見録(9) ‏ 

私達夫婦が食べ歩きをして、近所に新しく開店した店が、かなり
ベトナム人達の社会でも評判が良くて、早速に出かけて行きました。
私のワイフはパートで学校で公務員をしていますので、そこの用務員
がベトナム人で、ベトナムから1970年の半ばに移民してきた人でした。

去年初めて、サイゴンとの直行便の飛行機乗り入れで里帰りしたと
言っていましたが、家族そろっての郷里訪問はいかがな感激だったかと
想像しました。その方の紹介での店でした。
彼等の口での、味覚での評価ですから、まずまずの店と思いまして
その越南米粉麺店を訪ねました。

店は綺麗で、全部新品で設備も近代化して見ただけで清潔感があり、
対応も若いベトナム人達がきびきびとして、対応する接客態度は他の
店とは少し差がありました。先ず初めての試食ですから、そこの店の味
の基本スープを見る為に、麺も米粉のありふれたベトナム麺を頼み、
スープも普通の海鮮麺に入っているスープで試しました。

まずまずの合格で、あっさり味で癖も有りません、何種類かの出汁を
ミックスした感じでした。麺もワイフは平たい麺、私は細い麺を頼んで
食べ比べました。どちらも合格で、食感も舌触りも程よく食べる事が
できました。ゆっくりと食事を楽しんでいる隣りのテーブルに中年の男性

が座り、注文したのは生の牛肉を麺のスープに『しゃぶしゃぶ』の様に
浸して食べる麺でした。見ていると皿に薄切りされた牛肉が丸く並んで
それを箸でつまんで、スープに泳がす様にして、『レンゲ』のスプーンに
垂らした、少量のニョクナムとカラシに、チョン~!と浸すと、パクリと美
味しそうに口に入れました。

見ていると霜降りの牛肉が美味しそうです。食べている顔も幸せな感じ
を受ける、食の幸福感に浸っているような感じがしました。
それから麺を箸で摘み上げて、すする様に食べています。見ていても直
にその雰囲気が感じられ、長い麺を持ち上げて口に入れる動作も慣れ
て、すばやく感じられ、本物の麺を、本当のベトナム人が食していると
思いました。

町中のありふれたベトナム麺の店ですが、人間模様の食の世界を心に
感じる場所でした。

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