私の還暦過去帳(497)
南米移民過去帳物語、(2)
琉球泡盛女の物語、
ブエノスの港近くの酒場で知り合った彼女が歩んだ人生物語を聞いた時
にまず感じたのは、彼女が女の武器として最大限に自分の色気を使い、
また必要な時はセックスも惜しみなく利用して生きて来たと感じます。
彼女は戦争で何も無いように焼け出され、母家は破壊されて裏の物置小
屋だけ残っていたと話していました。
洞窟から連れ出されて米軍の民間人収容所に連れて行かれた先は、軍
用テントを並べて建設されたテント村だった様でした。
そこでも彼女は英語が話せるので、直ぐに世話役に抜擢され、アメリカ
兵との会話も上手くこなして、かなりの余禄もあったようでした。
それはタバコは現金の役割もしていた戦後の闇経済の中で、彼女が養う
家族と親戚の生き残り達の食糧確保も大変だった様でしたが、何とか若い
彼女の知恵で米兵から貰うタバコが紙幣の代わりになり、食料もかなり
余禄として別に貰えた様で、落ち着いてから、裏の小屋だけ残った我が
家に帰宅しても、彼女は通訳と世話係でテント村に住んでいた様でした。
その頃、ハワイから来ていた日系2世のアメリカ兵に、彼女の婚約者の
消息を探して貰ったら、422部隊でハワイから出征して、イタリア戦線で
戦死していたようでした。
彼女は少し落ち込んでいた様ですが、直ぐに元気を取り戻し家族を養う
為に仕事をしていた様でした。
戦後落ち着いてきた時期に、テント村も解散となり、基地の駐留軍労務
者として採用されて働きに出ていた様でしたが、そこで士官宿舎の掃除
担当となり、食堂も利用できたので、かなりの特典があったようでした。
彼女は愛想が良いのと、その英語を活用して、それと彼女が話していた
『女の武器はセックス』とずばり言い切っていたのには理由があったよう
でした。
それというのもハワイから来ていた婚約者だった、ハワイ2世は肉と
ミルクで育って体格も良く、4歳も年上だった事もあり、18歳の彼女と
沖縄の郷里で同棲していた時期に、彼からセックスの開眼をされ、若い
彼女が完全に女としての機能を全開していた時期だと思いますが、
当時戦後も落ち着いて来た時代で、彼女も20歳の若さで、完全に女と
しての魅力を振り撒いて時代だと感じます。
毎週掃除に行く士官宿舎の掃除で、彼女に目をつけた男達が数人居
たようでしたが、彼女は男達を観察して、その中の士官で大尉の主計
事務を監督する独身の白人を選んだ様でした。
まず彼女がその白人将校に取り入ったのは、士官宿舎の掃除に彼の
部屋に行った時に勤務時間なのに部屋に居る白人士官のそぶりから、
彼女は直ぐにその意味を悟り、やさしく話しかけてくる男の本能を感じて、
一応無視するように後ろ向きで仕事をしていたら、いきなり後ろから抱
き付いて来て、片手で彼女の胴を掴み、右手で彼女の乳房をブラジャー
の下から触りだした様でした。
彼女は計算ずくで一応は激しく抵抗して、最後は力に負けた様にして、
ベットに連れて行かれ、そこで脱がされた時に泣いて見せた様ですが、
演技でもかなり白人士官には罪悪感を感じながらも、本能を堪え切れ
ない性衝動で彼女を抱いて居た様でした。
事が終わってその時、白人士官の態度は女を征服した満足感と罪悪
感の交じり合った様子で、直ぐに彼女に優しく接してくれ、その日の仕事
が終わリ士官宿舎からの帰りには、ジープで親戚の女性らと3人を乗せ
て自宅近くまで送ってくれて、後ろの荷台に隠してあった荷物を降り際
に手渡すと、来週も・・、と声を掛けると立ち去った様ですが、彼女が家
の中に箱を持ち帰り両親と開けると、親が驚くような品々が入って居た
ようでした。
まず現金の代わりになるタバコがあり、ハムやスパームの缶詰、チョコ
レート類などの菓子、クッキーやビスケットなどがぎっしりと入っていた
ようでした。
それに両親がびっくりした、アメリカ製の派手な真っ赤な下着が2枚も
入っていた様でした。
両親も彼女の行為を直ぐに悟り、何も言わなかった様でした。
しかし、母親には『今の沖縄の時勢では女が家族を養い、家族皆が生
きて行く為には女の武器を使う事しか選択は無い・・』と言うと、黙って
うなずいて、『病気と妊娠だけは注意してくれ・・』と話していた様でした。
次の週に行く時は彼女は箱の中にあった、アメリカ製の真っ赤なパンテ
ーを穿いて行った様でしたが、それに白人士官が喜び、また自分を受
け入れてくれた証拠と感じさせて、セックスを彼女が利用したようでした
が、2度目からは彼女が自分も楽しんでいたと笑っていました。
それから彼女は女の武器を最大に使い、利用して、白人士官のオンリ
ーさんとなって稼ぎ、利用して、家族も親戚もそのおこぼれが回って来
た様でした。
彼女の働きで家も再建して、親戚達も家も持ち、荒れた少しばかりの田
畑も両親達が昔の様に作物が出来るようにして、落ち着いた生活も出
来る様になったようでした。
白人士官の大尉とは朝鮮戦争が勃発して、米軍の大きな部隊の編成
変更で帰還するまで続いたようですが、最後は是非とも結婚してアメリ
カ本土に行こうと求婚された様ですが、どうしても家族を見捨てる事が
できなく断った様でした。
それは男兄弟が戦時中に動員され、全員戦死した事が大きかった様
でした。
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