2013年9月16日月曜日

私の還暦過去帳(423)


忘却とは、忘れ去る事なり、

先頃から度々に知り合いや、昔の友人が亡くなる話を聞きます。

私の年齢を考えると、それもあたり前に聞く事がありますが、日々世界の
様子が変わるさまは、それに連れて人々の寿命も長くなったと言うことも
感じます。

しかし、南米に移住してアマゾン河の中流域に入植した日本人の平均年
齢が低いという事も聞いた事が有ります。それも生活習慣の違いから来
る、食生活の格差、飲酒や喫煙などが関連する成人病などもあると思い
ます。

私の友人達も南米移住した同級生達が良く喫煙するのには驚いたこと
が有ります。また日本在住の同年齢の方々の喫煙にも驚く事があります
が、中には死ぬまで止められないと言う人も居ます。

確かに私の同期生ですが、2ヵ年ほど前に食道にガンが見つかり、食道
の一部切除も致しましたが、一時は手術後の経過が悪くて、命の危険も
有ったようですが、それが持ち直して、元気になると、また酒タバコに手を
出すようになり、今では『これだけは死ぬまで止められない・・』と言う事で
続けて居るようです。

しかし、私の知り合いは一日、タバコを2箱も吸っていた人ですが、あっけ
なく発病から亡くなるまで3ヶ月で人生を終えた人もいます。
私がその癌の兆候まで見て、注意したのに、無視されて亡くなりましたが、
哀れと言う心が致します。

引退するまであと、数ヶ月だと言う時期でしたが、亡くなるまで人生を駆け
抜けて来た事が果して何だったか・・、と言う疑問も湧きます。

人それぞれに人生と言う重き荷を背負い、遠き旅の道を歩く様な生き様に、
己の人生を賭けている方々が大勢いますが、時には果してそれが正解か
と言う、自問自答もする事があります。

人には金儲けも興味がなく、家族と心の幸せとを願って、慎ましく清貧な
生活を送りながらも満ち足りた家族の幸せを掴み、育んで、小さな農園
生活に満足して人生を終らせた方も居ます。
その方が、『心安らかなる者、平和なる者、約束の地を得ん・・』と話して、
大きな心の平和を掴んで人生を終えられたのですが、人生一回限りの
道程の旅に、人の何倍もの稔りの宝を手にしていたと感じます。

二言目には金儲けの話ばかりで、それに溺れ死ぬ様に、人生を終えられ
た方も居ましたが、果たして幸せが何かという疑問が、限りなく心に湧い
ていた事も有ります。

日本人の2世の女性と結婚していた中国人でしたが、死の床にありなが
ら、良くなったら今度はこんなビジネスを始めたいと話していたのですが、
その言葉がまるで、病との闘いを鼓舞する勇気付けの文句の様な感じを
受けた事があります。

彼が奥さんと子供一人に残した物は、生命保険金と、家のローンが死亡
したら保険金で全額完済されるという保険付きの家でした。

政府からの遺族給付金で食べて行ける様でしたが、ご主人が残した資
産の全額を、危ない銀行の高利子に惹かれて預金して、その資産は政
府の預金補償額までしか保証がなく、銀行が倒産してその戻ってくる資
産も2ヵ年近く掛かり、家を売却して、親元に身を寄せる為に子供連れ
で引っ越して行きました。

昔、時々その家の近くを通り過ぎる時に、ふと・・、あの子どもは幾つに
成ったかと、去り行き、その行方も分からない人の子供の事を思い浮か
べていました。

何年ぶりかで国際電話で知った南米時代の知人の消息も、殆どが亡く
なり、また中には日本に帰国して消息不明と言う事も聞き、日本に出稼
ぎに行き、日本で女性が出来て離婚して、日本に居付いたと言う事も聞
いた事があります。

人は別れの離別と、また再会のたずなも握りながら、この世の狭間で
人生の大河に流されて行く感じが致します。

去り行く先が、御世の世界に足を向けて行く人も少なからず・・、果たし
て人生は短い様で、早い様で、誰も推測できない、占う事も出来ない世
界の、物語の登場人物のようにも感じる事が有ります。

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