2013年2月24日日曜日

私の還暦過去帳(350)

訪日雑感(6) 

世界を見ず、日本を語るなかれ・・、と言う事を聞いた事があります。
意味深い言葉と思います。

日本人は己の存在を世界の鏡に写してから、その姿を見るという事をし
なくては、これからの世界では生きていけないと思いますが、六本木ヒ
ルズを訪ねてからは、その言葉を体感と言う、現実の自分の身体で身
に染みて感じました。

その日、会合で招待された六本木ヒルズの最上階の展望レストランで
の話と会食も、エレベーターを降りて一歩内部に足を踏み込んだ時から
ショックな事が体感として感じました。
それはアメリカの現代社会では法律として禁止されている、喫煙の嫌な
臭いです。
私は一瞬、アレー!と感じました。

日本ではこんな高級感のある展望レストランの逃げられない密閉空間で
喫煙か??と言う疑問でした。
それは内部に足を踏み入れて即・・、現実に目にする事が出来ました。

あるグループがテーブルを挟んで何か話をしていましたが、そこで数人
の男性がタバコを喫煙しているのでした。

一瞬私は自分の目を疑いました。

それはアメリカの社会的な感覚からすると、まったく信じられない、驚き
の行為だったからです。
私が住んでいます市では、喫煙者の割合は人口の9%以下となってい
ます、禁煙条例が厳しく、学校、家庭、職場、公共施設など全て厳重に
守られているからです。

最近では車の運転中に幼児が乗車している中で、親か他の人間が喫煙
したら、犯罪となる厳しい取締りが出来ました。タバコ類は全て鍵が掛か
る陳列ケースでしか販売する事が出来ず、タバコ自動販売機も1台も在
りません。勿論の事に広告もダメです。

かなり前ですが私が買い物でヒスパニック系が多いスーパーの前で、紙
袋に入れた酒瓶を手に、タバコを吸っていた男がポリスに検挙されていた
のを見ました。ポリスはタバコを吸っている男の前に来ると、喫煙をやめ
るように警告しました。
男は酔っているのか止め様とはしませんでした。

ポリスは、当市では条例で街頭、公共施設の周りでは禁煙だと警告して
行動を開始しました。
ポリスは腕を掴んで男からタバコを取り上げようとしたら、抵抗した途端
に直ぐに腰のバンドにつけた胡椒の催涙スプレーを、『ちゅー!』と一吹
きでした。

男はタバコも酒瓶が入った紙袋も放り出し、ポリスは棒立ちになった男の
足のスネを警棒で軽く叩くと、倒れた男をアッと言う間に、手錠を掛けて
連行して行きました。
時間にして2~3分の短い時間でしたが、手馴れて商売上手と言う感じ
でした。

それからしたら日本でも有名な、世界でも知られたこの六本木ヒルズの
高級ラウンジがタバコの煙で喉が痛くなるという事は理解出来ませんでし
た。

分煙で限られた区域の空気浄化装置を付けた部屋など、日本の技術で
は簡単と思いましたが、そんな装置も無い感じでした。
しばらく話し込んでいた場所も、喫煙の煙の酷さで席を交換する事に致
しました。

日本のビジネス習慣か日本人の悪習と感じました。

アメリカなどに行って、ホテルの高級ラウンジで喫煙したらどうなるかな
ど、ビジネスを知った人間でしたら、あたり前に守るマナーと思いました。
その様なマナーも無いビジネスを語り合う人間達の背広姿に幻滅を感じ
ました。

私は家で晩酌しかしないので、酒も飲まず水のコップを前に話していま
した。私など滅多に来る事も無い場所ですが、良い経験と成ったと思い
ます。
私が知っているアメリカ人が嘆いていたのは、日本でのビジネスは
『酒とタバコ』にはホトホト参る事があると話していました。そして・・、
彼はアメリカにビジネスで来た日本人に喫煙場所を探して、州ごとに喫
煙の取締りが違う事を教える事に骨が折れる仕事だと話していました。

その夜、話が終わり会食となりましたが、久しぶりでの喫煙の煙と副流
煙の喉に来るアレルギー反応に、味は分からずじまいでした。
それにしても、日本の驚きの体験と貴重な経験でした。

誰かが話していたが、この森ビル経営者は『仏像作って魂入れず』と
同じだと・・!

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