2013年1月13日日曜日

私の還暦過去帳(337)


旅に出て・・・、

『犬も歩けば棒に当る』と言いますが、今では街のどこを歩いても当地
では、スターバックスのコーヒー店があります。

私の近所は大した街ではありませんが、サンフランシスコ郊外のベッド
タウンです。特にブルーカラーと言う階層が多いと言われる町でもあり
ますが、そのコーヒー屋があちこちに出来て、かなりの賑わいを致して
いる事が分かります。

アルゼンチン、ブエノス・アイレスの街で、昔は沢山のコーヒー売りが
両肩にコーヒーを入れ魔法瓶を提げて売り歩いていました。
制服のように同じようなシャツと白いエプロンの様な小銭入れを付けて
いましたが、今では小さな手押しの台車にコーヒーとか、スナックも載
せていました。
公園などの木陰にとめてコーヒーを売っていましたが、街角のあちこち
で見かけました。昔のブエノスでは街のあちこちに小さな店先でコーヒー
飲ませるスタンドが有りました。

温めたテーブルに小さなコーヒーカップが伏せて並べて置いてあり、そ
れを一つ手に取りカウンターに置くと直ぐさま、コーヒーを入れてくれ
るやり方でした。好きなだけ砂糖やミルクも自分で入れて飲んでいまし
たが、今ではその様なコーヒースタンドは、どこにも見ることは出来ま
せんでした。

今ではあらゆるケーキから清涼飲料水まで並べた店が、軽食も置いて、
あちこちにあるのを見て、時代が変わった事を認識させられました。
しかし、旅の途中で飲むコーヒーも田舎では時にはインスタント・コー
ヒーを注いでくれました。
今回わたしが見た一番小さなコーヒー店は畳2枚分ですから1坪程度の
店で、そこに夫婦二人で店番をしていた所でしたが、チリとアルゼンチ
ンの国境で、サンペドロ・デ・アタカマからフフイ経由でサルタ州の州都
に出る、週3回しか走らない国際バスで停車した時でした。

狭い出入国管理事務所の横にバラック小屋が建っていました。
高地で風も冷たく野外まで行列したバス乗客達が出入国管理事務所前の
入り口から溢れて、外まで並んでいる横ですからお客は沢山います。

中々動かない行列を見ながら、皆がコーヒーかコカ茶を注文しているのを
見て私も行列を離れて熱いコーヒーを買い並んで飲んでいました。
小さなバラックの小屋です、中は所狭しと商品が半分ほど占拠していま
した。直ぐに食べられるスナック類が殆どでした。

澄み渡った青空の空を見上げながら、はためく国旗の色が鮮やかに風に
なびいていました。寒風が吹き刺す寒さで、管理事務所横の日陰はアイス
がガチガチに凍り付いていました。インスタントコーヒーですが熱い舌を
焼く様なコーヒーを口にする事で、身体が温まるのが分かりました。

国境越えの長距離トラックの運転手が国境の検疫検査を受けて、トラック
に乗り込む時に熱いお茶が入った魔法瓶を手に乗り込む姿が見えました。
大きくエンジンの音を響かせてゆっくりと街道に出て行く大型トラック運
転手達も、そこのバラック小屋で買っていた様でした。

周りを見回しても人家などはどこも無いような場所です、国境管理事務所の
職員住宅が少し並んでいるのが見えるくらいでしたが、それにしてもこんな
砂漠の様な荒地の国境で24時間バスやトラックのお客を相手に開いている
店には感心致しました。そこではアルゼンチン・ペソやチリの通貨も使用で

きましたが、冷えて寒い行列に並んで暖かいインスタントコーヒーでも飲め
た事はありがたいことでした。バスの乗客が入国の手続きを済ませてバスに
皆が戻り発車する頃は店の前はガラーンと、寒風が吹きすさび、店の主人が
店の裏で何か調理でもしているのか、その様子が見えていました。

私の座席の横の白人青年がサラミを切ってパンに挟んで、自分のマグカップ
に入れた暖かそうなコーヒーと食べていました。
バスが動き出すと、ガラーンとした国境の出入国管理事務所前の駐車場は
風の来ない日溜まりで犬が寝ているのが見えました。

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