2012年12月7日金曜日

第3話、伝説の黄金物語、(34)

 
運命の定め、

富蔵達がその後、スミス氏達と正式に契約して、事業に参加する事が決ま
ったが、拠点を6ヶ所ぐらい設定して、そこから事業を伸ばすという事を決
めた。飛行機での運送経費は折半となり、サムのサンパウロ郊外の飛行
学校滑走路を拠点とすることが決まった。

リオ・ベールデに行き、仲間で今回のスミス氏救出に参加した者達を集めて、
それぞれにかなりの金額を手渡した。パブロもその金を結婚資金としていた。
カンポグランデの養蜂家ホセと助手の若者にも配分が手渡された。

彼等は思いもつかないボーナスに喜び、家を買う者、借金を清算して両親
にラジオや新しい家具などを揃えていた。

半分の2万5千ドルは仲間の軍資金として蓄えられ、新たに単発エンジン
の長距離を飛行できる大型飛行機を購入する事にした。操縦席は並んで2
名が操縦できる新しいタイプであった。

先日エレベーター内で襲って来た賊二人は、銀行の行員と通じて大金を降
ろした人を内通して、その金を仲間が強奪していたようだ。
同じ様な事件が起きていたので、犯人が射殺され身元がバレてから、直ぐ
に銀行員の内通者が逮捕された。

スミス氏のファミリー企業はこの様な内通者を用心していた。
しかしと富蔵達の仲間は全て誰が何処に繋がっているか、家族が誰か?
兄弟は何をしているか?全て知り尽くしての仲間だけの集まりであった。

金と原石など貴金属を集荷して、本店のサンパウロに運ぶ仕事は大きなビ
ジネスであった。金額が大きいので2%と言う利益がかなりの金額になって、
これからの富蔵の運命を決めたような感じであった。

列車や車を使う事無く、全て飛行機で拠点を回り、集荷する事は襲われる
危険性が殆ど無かった。
アマゾン河上流のマナオスの町では、交通手段では飛行機が最高に安全
で早いものであった。
砂金などの突然の発見でにわかに出来た町などは、サムがアメリカの陸軍
航空隊で学んだ、通信筒を飛行機で、引っ掛け引き上げる方法を活用して、
現場から簡単に砂金の袋などを着陸しなくても持ち帰る方法を考案した。

この方法はビジネスとして、大きな力を発揮した。
それと同時に操縦士を身内の中からもう一人養成することが決まり、アマン
ダの一番下の末の弟が決まった。
サムとモレーノの特訓が始まり、驚くほどの上達を見せていた。

リオ・ベールデに居るアマンダ兄弟の会社で働く腕が立つ若者4名は、集荷
拠点を運営する事が決まり、簿記から、計量計りの操作まで習っていた。
そして一番重要な拠点を守る武装と自衛の建物の建設であった。

拠点の建設もスミス氏の事業拠点を引き継いだ所が3ヶ所もあり、それを補
強して強固にした。リオ・ベールデは今の拠点をそのまま使い、カンポグラン
デも砂金採掘現場に隣接して事業所を開いた。

まったくの新規はペルー国境近くのポルトべーリョに決まったアマゾンの上流
で周りには有望な地下資源があり、砂金採掘なども行われ、これからの地点
であった。

それぞれの拠点に行く者は家族を連れ、兄弟を連れて出かけて行った。
特に新規のポルトベーリョは家族構成が多くて、兄弟などが5名もいる男を選
んだ。

中にはリオ・ベールデに居る仲間の軍隊経験者として、一番の射撃手として腕
があるオラシオの家族も居た。

これからの場所で、住居なども大きな建物を買い、それを改築建て増して拠
点を作った。ここには無線電信の機械を据え付けて、通信手段は自前で確保
していた。全てが整い、事業が動き出した。

サムが飛行計画を整えて、計画どうりに飛行機を飛ばして砂金や貴金属など
を回収して来た。中にはダイアモンドの原石や貴重な宝石の材料になる原石な
ども含まれていた。
安全で拠点が何も治安などの心配ない所は月に1回、危険で採掘量が多い所
は毎週飛行機が回収に飛んでいた。
モレーノの操縦する飛行機の副操縦士として、操縦免許を収得したアマンダが
座った。
かなりの長距離を飛ぶ事があったが、定期便の飛行機でもないので天気が悪
ければ何日でも回復するまでのんびりとしていた。

サムがサンパウロの飛行場の事務所で全てをコントロールして飛行計画を立て、
運営していたが、富蔵は組織として動き出した大きなうねりを感じて、自分の運
命を悟った。
自分達で採掘する金鉱もリオ・ベールデとカンポグランデの2ヶ所にあり、その
収益もかなりなものであった。
スミス氏の会社も関連する仲間の事業と絡んで富蔵達の迅速で安全な集配を
利用したので、その利益もかなりのものになっていた。
飛行機の運送経費折半分もそれで十分に賄えて利益が出ていた。

もやは引き返す事が出来ない組織となり、スミス氏の事業と絡んでその運命の
道筋を歩き出したと感じていた。

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