2012年11月22日木曜日

私の還暦過去帳(324)


旅に出て・・、

ペルーに来たのは35年ぶりです。
前回の旅には、私には強烈な心に焼きついた思い出があります。
私もこれまでの人生であちこちと世界を歩きましたが、特に南米の思い出は
若い頃、情熱を叩きつけて、自分の生き方を探して、試していた時代です。

アルゼンチンの北の最果て、ボリビア国境辺りに行くと、キッチュワ語を話す
人が沢山居ました。アルゼンチンに出稼ぎに来ていた労務者がバスや汽車
を乗り継いで、遠くはペルーやパラグワイのチャコ地方からも来ていました。

その当時はボリビア人の出稼ぎが一番多かった様でした。 乾燥した抜ける
ような青空に、遠くの山肌に白い残雪が見える時も有りました。この時期の
季節、ラパスから、オルロを経て、寒いウユニの塩湖を見て、ボリビアを縦断
に抜けて、汽車でアルゼンチンのサルタ州に出るコースは4300mの高地を
通過せねばなりませんので、それが出来るか心配です。

サルタ州に出れば私が農場の支配人をしていた所が在るからです、一番の
近道でペルーのリマを振り出しに歩く旅です、40年以上も昔に果たせなかっ
た思いを、今回の旅で叶えようと思っています。

そして自分が仕事をしていた昔の農場を見ておきたいと考えています。そし
て・・、私が当時、忙しくて訪ねて行くことが出来なかった各地の、望郷に似た
マチュピチやウユニ塩湖の自然の姿を見たかったのです、この歳では最後と
考えて心だけは48年前の若い時の気持ちを抱いて歩いています。

以下は私が35年前に、この目で見た光景の思い出です・・、

私もだんだんと歳を重ねると、思い出す事が沢山出てきます。1976年でした。
アルゼンチンとブラジルを訪問するので二ヶ月ほど旅をしていました。行き道
でした。ペルーのリマの飛行場を飛び立ちまして、最終到着のサンパウロに
着く予定が夜中でした。

リマの飛行場を飛び立ったのは夕方で、かなりの明るさに夕日を浴びて飛び
立ったのを覚えています。 しばらく飛んで、アンデスの山頂の雪を被った山々
の頂きを見ながらその夕日で輝きの赤ね色に染まった山肌を見て、その下の
アマゾンの緑濃いい輝きの中に細く、くねくねと曲がって流れて居る河の水面
もかすかに色ずいて、赤き絵の具を混ぜている錯覚を覚えました。

その10キロもの上空から眺める展望は、この世のものとは思われない天地
創造の時代を彷彿させる想像の世界で、心の画像にしっかりと写していました。

かなり離れた地平線のかなたは、どす黒く墨を流した様に染め上げて、その
中に雷鳴が飛び散る様は、息を呑む感じで緑の群生の木々がまるで空高い
上空から見ると、まったく 緑の濃いい絨毯を見ている感じでした。黒くびっしり
と地平線を埋めた黒雲は、その切れ間に、光輝く光帯の細かな幾筋の五月雨
のごとく細かな光の糸を垂らして、神々がその光の筋に照らされて天上から降
りて来るのではないかと想うのでありました。

天地創造の世界がこの様な世界ではないかとふと~! 感じまして、何か涙
が込み上げて来た不思議な感じでした。今でも時々、Matsui Keikoの癒し
の音楽をかけて、ゆったりとソフワーに身を沈めて、目を瞑りーー、心のペー
ジを開いていくと、今でもその景色が音もなく神々の世界の光景のごとく現れ
て来ます。

景色の中で自由に飛び回りながら、自分が空中を鳥の様になっていつしか飛
び回っている幸せを見る事が有ります。

心のアルバムにしまっていますので、いつの日か私の命が消えるとき、同時
にこの景色も消え果てると想います。

旅はこれからチリーに入り、アルゼンチンに抜けます。サルタ州からバスで
そこからパラグワイに入り20日ほど歩き、ブエノスの出ます・・、

今日のリマは霧です。

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