2012年11月11日日曜日

私の還暦過去帳(321)


 『もと百姓が見たインド』

1月10日は6時半には起床して、お馴染みになったお粥の朝食でした。
今朝はタイからの団体客が先に食事をしていました。
私達夫婦が食事を済んで新聞でも読んでいる頃には、玄関ホールに集合して
いましたが、これからどこかの仏教遺跡にバスで出かける様でした。

私もホテルの清算をして、ホールのソフアで迎えの車を待っていました。
予定時間の8時に車が来ました。
これでブッタ・ガヤーにお別れです、この町が時を越えて巡礼者達を引きつ
ける何かが在り、何百年も永々と続く信仰の力を感じさせます。

ホテルの従業員に見送られて街中を抜け、街道を疾走し始めました。
しばらく走ると、インドで初めての高速道路に入りました。
有料でトラックの走行が目立ちます。首都のデリーまで続く高速道路と言う
事でした。アメリカの様にトレラー牽引の超大型車は見かけませんでしたが
途中にはレスト・ストップの休憩所もありました。

かなり田舎の、広大な広さの農村地帯を横断するように走り抜けて行きます
が時々、沢山のトラックが路肩に何台も停車して、高速下のレストラン風の
様な屋台の店で食事をしているのが見えます。田舎ののどかな風景にマッチ
している様でした。それにしても数時間走っても、一台も警察のパトロール
カーに会わなかったのには驚きました。

それと、途中で工事中とかで、回り道した街道の田舎道がホコリとデコボコ
道で、しばらくは腰が痛くなるような振動でした。
途中一度、休憩で止まった所は、レストランとモテルの宿泊所も有り、有料
のシャワーも浴びる事が出来ました。高速を降りて近道の田舎道を1時間半

ほど走り抜けましたが、また高速道路に戻るまで田舎の農道と言う感じの細
い支線を走った経験は貴重でした。まるで農家の庭先を横切るかと思う狭い
道で、放し飼いの牛、ヤギ、ニワトリ、アヒルなどが車の前を横切り、ロー
カルバスの屋根の上まで積み上げられた荷物の上に、人間が乗っているとい
う風景も見ました。

どこまでも続く、青々とした麦畑が海の様に連なる姿は、地平線まで伸びて、
その畑のあぜ道を、頭の上に荷物を載せた婦人達が列をして歩いている姿を
見て、どこまで海のような麦畑を歩くのかと心配になりました。
時々、麦畑の海に浮かぶ孤島の様な町が見えて、また消えて行きました。

一度狭い幅の鉄橋を渡る時に、車一台しか渡れない所に、ヤギ達がゾロゾロ
と橋の幅一杯に広がって渡ってくる光景は壮観でしたが、我々の車もヤギ
様達のお渡りをしばらくは、おとなしく待っていました。
停車して待っている我々の車を見上げて、『メー・・!』と鳴いていました
が、何かヤギ達が『待たせて悪かったね・・!』と言う様な感じでした。

それにしてもインドの田舎町と言えでも、どこに行っても人が沢山住んでい
るのには驚きです、そこを抜けてまた高速道路に戻り、しばらく走ってから
ガンジス河の鉄橋を渡りましたが、川幅も広く橋の両側は銃眼が付いた要塞
風の建物でした。
レンガ作りの古い建物でしたが、どこか英国風の様式を感じさせていました。

橋を渡る前に巨大なトラックターミナルと言う感じのトラックが群れている
場所を見ましたが、あんなに多くのトラックが停車している場所はインドで
は初めてでした。
街中に入り、しばらく走ると両側の商店や家がまるで爆撃にあったかと思う
ような凄まじい光景を見ましたが、運転手が話してくれた事は、違法建築で
国道にはみ出して建てられた建築物を、裁判所の許可の下に強制取り壊しを
したようでした。

インドの悠長なやり方ではありません、裁判所の令状の下にパワーシャベル
で一斉に破壊してしまったようでした。
それにしても、インド人はやりますなー!
家の半分を壊されて、まだベッドなどが、壊れかかった部屋からぶら下がっ
て居る様な光景には度肝を抜かれました。

また、大勢の人間がレンガを丹念に剥がして、自主撤去をしているのも見ま
した。運転手の話では、今回は立ち退き拒否の家を破壊したようでした。
年々増える交通量に苦慮した政府が、道路拡張に反対する違法建築に対して
実力行使をしたようでした。
驚きの光景を目にしながら、バナーラスのホテルに2時30分に到着いたし
ました。
ガイドが言うには、このガンジス河の側に在る町の名前は、日本式は
『べナレス』これは英語読みの『Benares』の日本語読みです、正式には
『バナーラス』と言うとインド人でも通用致します。
しかし、インド独立後の政府の正式名は『Varanasi』だそうです・・、私は
ベナレスと言うのが簡単で間違いない地名と感じますが、やはりジャパニー
ズ英語ですねー!

ホテルでは遅いランチを食べて、少しホテルで休んでから、ぶらぶらと街中
を歩く予定で、その夜は近くのショッピングセンターの中に在る、マクドナ
ルドとピザハットの店まで歩いて行き、見学しましたが、入り口には男女の
ガードが二人居て、所持品検査をしていました。

私達は呼び止められる事無く通過出来ましたが、お客は中流以上の客層と感
じました。中をぶらぶらと散歩して、ピザをお持ち帰りにしてもらい、ホテ
ルでのんびりと食べる事に致しました。
明日はガンジス河の夜明けを見て、聖なる河に船を出す予定です。

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