2012年11月8日木曜日

私の還暦過去帳(320)


『もと百姓が見たインド』

その日、SUJATA村から街中の賑やかな参拝者達を見ながらホテルに帰
って来ました。
それにしても、これだけの参拝者達が宿泊できる設備があるのですから
感心致します。よく見るとあちこちに、ホテルの看板が出ている建物があり
ますが、洗濯物をぶら下げた様なホテルも見ました。

ホテルに帰ってから近所の雑貨屋の中にある電話屋に行きました。
次男に電話する為でした。ホテルでは電話代が高いと聞きまして、散歩が
てらに行きました。簡単に話す事が出来、周辺の状況も知る事が出来まし
たが、テレホン・カードをほかのスナック類と同じく、沢山ぶら下げて販売
して居ました。
終わりましてホテルではお昼のランチが開いていましたので、お腹も空いて
食事にする事に致しました。近所の日本寺を観光訪問した団体さんが立ち
寄りバフェーのランチを食べたので、今日も日本人が美味しく食べられる物
が沢山メニューに有りました。
チャウメン(インド式中華焼きそば)これが美味しいのです、それに鳥のから
揚げ、キャベツのインド式煮込みが美味しかった。このキャベツの煮込みに
はすっかりワイフとも好きになり、これがあったらどこでも注文していまし
た。
これは大きくザク切りしたキャベツを鶏がらのスープで煮込んで、しんなり
とした所に、塩・胡椒で味付けした簡単な物でしたが、キャベツの甘さと柔
らかさが舌に残る味でした。私はチヨイと醤油をかけて頂くのが好きでした。

食事の後に、朝は混雑すると言う事で、午後から仏陀が覚りを開かれた場所
の『大菩提寺』を参拝に行きました。
仏教徒の最も重要な聖地です、仏陀が覚りを開かれた菩提樹の木も残って
居ます、その木は3代目とか、大きな木です。7世紀には現在の姿の寺院と
成ったと聞きましたが、その聖地の貴重な座禅を仏陀がされて覚りを開かれ
た場所は、今では厳重に鉄格子で囲まれています。

ガイドが話してくれた事は昔、日本から訪問してきた来たオウム真理教の
教主がそこに座ろうとした事で、今では座禅を組んで座られた石の上は鉄の
格子が張られ誰も近かずく事は出来ません。
ひんやりとした岩肌の冷気が有る大きく茂った菩提樹の下で、老若男女の
数多くの人が、静かに座禅を組んで瞑想している姿は印象的でした。

境内の中は数多い仏教徒達が、遠く他国から一生一度の旅支度をして来た
と言う感じ年配の方達が、参道に自分の姿を全て投げだして、全身全霊を掛
て参拝ににじり寄っていると感じる、お参りをしている方達を見て、その信
仰心に心打たれました。

中にはあちこちの寺院の角に花びらと自分が故郷から持ってきた水を小さな
紙コップに入れて捧げている姿を見て、この寺院に在る守護神に感謝の奉納
をしていると感じ、それぞれの一つ一つのコップに秘められた願いが感じら
れました。
夕方近くまで境内を歩きましたが、ネパールから来た巡礼者達の合掌する経
文の声がどこにでも聞こえていました。
靴を脱いで歩いている石畳の参道がひんやりとして、心地よい感じが致しまし
たが、僧侶達が褐色の仏衣を着て、両手を合わせて素足で境内を歩く姿は
威厳が在る姿でした。

夕方になり、外に出たら周りの広場で若い男女が踊りをして見物客から小銭
を集めていました。その音楽がここは遠くの異国の地に居る事を肌で感じさ
せてくれました。

その夜、ホテルに戻り、私一人で街に出て何か思い出になる品を探しました。
在る寺院の前で、チベット族の老女が仏壇に飾る鐘やロウソク立てなどを売っ
ていました。英語がかなり話せましたので、聞くとネパール近くのインド北部
で作られて居ると話してくれました。思い出に綺麗な彫刻が入った10cmぐ
らいの鐘を購入いたしました。

その夜は早目に床に入って、明日のバナーラス行きの準備をしていました。
どこか遠くで微かに響いてくる鐘の音を聞きながら眠りに付きました。

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