2012年10月23日火曜日

私の還暦過去帳(315)


『もと百姓が見たインド』

1月7日の夜遅くにインド法華ホテルに到着いたしました。
時間は10時20分ぐらいだったと思います、ホテルの入り口ゲートは閉めて
あり、高い鉄の門がそびえていました。
運転が携帯電話で連絡していたので、車の警笛を鳴らすと、警備の門番が
慌ててゲートを開いてくれました。玄関には3名ほどのホテル従業員が待っ
ていました。
飛行機が4時間ほど遅れて到着したので、準備して待っていてくれたようで
した。
直ぐに5分程度で全ての手続きが済み、ボーイが部屋に荷物を運び込ん
でくれました。今日は団体客が居ないので静かだと従業員が話していました
が、広々としたホテルの庭は、虫の鳴く声も聞こえました。広い構内に綺麗
なレンガ建ての感じで、今までインドで滞在した中で、一番落ち着いた感じ
で、中も綺麗な部屋で、飾られた大きなフルーツの飾盆が見事でした。

荷物を置いて食堂に行くと、そこには10時半は過ぎていましたが、係りの
人とコックが待っていて『お腹がすいたでしょう・・』と、何を食べたいか注文
を聞いてくれました。ありがたいことで、お腹もかなり空いていましたので、
感謝して遅い夕食を食べる事にいたしました。

親子どんぶりと日本ソバの暖かい物でした。野菜を余り食べていませんで
したので、野菜炒めも作って貰いました。広い食堂で私達二人だけの食事
でシーンとした部屋に、柱時計の音が聞こえて来る様でした。
二人で分けて食べましたが、ソバのだし汁が美味しいのに驚いて聞いたら、
日本から全部取り寄せて居ると話していましたが、コックの調理人が、前に

このホテルに働いていた日本人の板前に全部教えて貰い、修行したと教え
てくれましたが、翌日の朝の食事も日本食をだすと言う事で、楽しみにして
いましたが、これが本格的な日本の旅館などで出す、食器も全部そろいの
物には驚きでしたが、それにマッチする味も大したものでした。

私も世界をあちこちと歩きましたが、今までで一番現地人が調理する日本
食で美味しいと感じた朝食でした。味付け海苔、梅干、沢庵まで付いて、熱
い味噌汁を食べるのは感激でしたが、インド人のコックが『朝はお粥がいい
か?それとも普通の白ご飯・・・?』と聞いてくれたのには、これも驚いて感
謝いたしました。

私が前日の夜に、注文していたのはお粥でした、インド長粒米を煮込んで
トロトロにした白粥でしたが、微かにご飯粒も残り、味は中国レストランで食
べるお粥に似ていました。異国の田舎を旅していると日本食の美味しい物
を口に出来ると何か幸せな感じが致します。

こんな田舎のホテルまで、遠い日本から運ばれて来た食材を使う日本食
は贅沢な食事と感じました。食事が終わって美味しい日本茶も出て、丁度、
食堂に顔を出した調理人に声を掛けて、『朝から日本食が美味しかった・・』
と言うと喜んでくれ、『これも日本人板前の先生が厳しく教えてくれたから・・』
と話していました。
朝食が終わり、部屋に戻る時に、私の口の中には梅干の種がまだ入れた
ままでした。あのショッパイ梅干の種が何か、子供の頃に戻った気分で、口
の中で舌で転がして部屋まで帰りました。

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