2012年10月3日水曜日

私の還暦過去帳(307)


エローラの洞窟群を見学で、朝は5時半には起きました。
ホテルでは紅茶を飲んで直ぐに歩いて5分も掛からない所に有る入場口
まで行きました。
理由は混雑する時間を避けて、誰も居ない場内を見ることを考えていま
した。9時頃からですと各地から押し寄せる見学者達が行列となり、ゆ
っくりと見ることも出来なくなるからです。

薄暗い中をまだ回りのレストランや商店も閉めた店が多かった様でした
が、バス停の前の店ではインド式チャイを売る店がすでに店を開いて何
か揚げパンの様な物を作っていました。お客も何か食べながらバスを待
っているようでした。

我々が入場口に着いた時はまだ窓口は開いてなく、6時半に開く様でし
た。事務所の中に電灯の明りが見え、窓が開き、薄暗い光の中でチケッ
トを購入して、近くのゲートの鉄格子が開けられ、通過して行きました。
我々が今日、最初の入場者でした。

すると歩き出して直ぐに、頭上の木の茂みが激しく揺れ、グワー!と
サル達が威嚇するような声を出しながら移動して行きました。
突然で、一瞬ドキーンとしましたが、まさか木の上でサル達が寝ていた
とは知りませんでした。周りは物売りも居なくて静かな場内です。

次男の彼女は今朝は起きてこれなくて、次男が案内してくれました。
しかし、何よりも驚いたのは一枚の岩盤をくり貫いて巨大な寺院を掘り
抜いた遺跡でした。
インドには27の世界遺産がありますが、エローラにある最も大きい石窟
寺院のカイラーサ寺院が一番の迫力があると言われています。
タージマハルはイスラムの王様が妻の后に作ったお墓ですがこの寺院は

現代の仏教徒やヒンズー教徒などインド国内、世界の多くの人がが今で
も崇拝する神殿です。建設された年月と、そのスケールに格段の差が有
ります。神殿を実際に自分の目で見て見学したら、さすがの私も度肝を
抜かれた感じでした。よくも昔の重機なども無かった時代にこれだけの

岩盤を砕いて建設したかと心から感じましたが、神殿は、玄関、前殿、
拝殿、本堂からなり全体的なバランスと刻まれた彫刻の素晴らしさは見
る者に感銘を与えます。
両脇に向かって左が勝利の塔が有り、右が知恵の塔が並んでいます。
この堂を囲むように岩山を上から掘り剥いた2階建ての窟院が有ります
が、本堂を支えるために巨大な象がそれを支えるように掘られています。

建設がスタートしたのは紀元757年頃で、その建設は220年も引き
継がれ何代もの人の手を経て、979年に完成したと伝えられています。
建設技術の高さ、精巧さ、彫刻の美術品的な見事さは、今の世でも世界
遺産としての価値を十分に感じさせて、見る者の心を圧倒致します。

一枚の岩盤を掘り抜いたサイズは、本堂の高さ36m、幅33m、奥行50m
と巨大で、その建設された権力と資金力と人々の信仰心と永年の根気を
掛けた建設の執念を感じさせるものです。

先ず私達は正面を見てからその巨大な寺院の全体を見る為に、寺院の裏
山に登りました。そこから見る迫力は周りの岩山から周りを全体的に見
る事が出来ますので、いかに人間の力が凄いか改めて感じ入ったしだい
です。
子供の頃に写真で見た時とは、まったく違った感激があり、ここまで来
た甲斐が有った感じでした。その頃になると多くの参拝者と見学者が入
場して来て、静かだった境内が賑やかになりました。
ふとよく見ると、1匹の野良犬がどこからか奥の寺窟の辺りからスタス
タと歩いて来たのを見て、これから朝の食事でもありつく為にバス停の
方に歩いて行くのだと見ていました。

周りの石窟も見学して、ヒンズー教の神々の妖艶な姿に感心していまし
た。すでにこの頃になると、押しかけてきた見学者が列を作り、ゾロゾ
ロと歩いて来て居ました。
私のお腹も紅茶一杯でしたので、グー!と空腹のサインを出していました。
今日中は何度も入場出来ますので、一度、直ぐ近いホテルですので帰り、
朝食を食べる事に致しました。

その時は駐車場は車が並び、観光バスも着て居ました。
先ほどすれ違った野良犬がバス停近くに居るのを見ながらホテルに帰り
ました。

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