2012年9月19日水曜日

私の還暦過去帳(300)


『もと百姓が見たインド』

アジャンター石窟群を歩き始めて、最初に気が付いた事は、かなり気温が高
く、暑いと言う事でした。
太陽に焼け付く岩盤の照り返しと、熱を吸収した石盤の壁と床が、ヒートして
いる事を足の裏に感じました。それは石窟に入る時は下足して入場となるから
でした。 靴を脱ぐと直ぐに床の岩盤が熱して暑くなっている事を体感して、

これが真夏でしたら、45度近く上昇すると言う温度では、まさに飲料水を持
参していないと悲鳴を上げるという説明を納得いたしました。地元インド人の
方々は素足にサンダルで来ていた方々が殆どでしたが、 小学生や中学生達
の見学集団は殆どが制服でした。

女子生徒は綺麗なサリーを色鮮やかに着流して、賑やかな列で通リ過ぎて
いました。子供達はどこの国でも、好奇心が強くて話しかけて来ます、私も
カメラとビデオ撮影で友達になりましたが、写したばかりのビデオをモニター
画面で見せると、それこそ、ドド・・と言わんばかりに集まって、先生が『危ない』
と止めていました。

それと面白い事に、インド人の方々からよくボールペンを売れと言われて驚い
た事が有ります。次男が言う事は、『余り品質が良くないから・・』と言う理
由でした。ワイフなどは、絵葉書を売り付けられ、娘から貰った宣伝用の会社
名を書いたボールペンと物々交換していました。

アジャンターの石窟群をガイドと家族で歩き始めて第2窟に来て、その中の
色彩壁画が今でも色鮮やかに残って、その仏教菩薩の画像が鮮明に歴史的
な順序で描かれていました。その本堂両側には仏の一千仏が壁一面に細か
く表情豊かに描かれていたのには驚きました。

薄暗い天井にも装飾壁画があり、私が想像したのですがこれが完成した当時
は絢爛たる壁画に囲まれた石窟ではなかったかと思いをはせていました。
薄暗い石窟場内はひんやりとして冷気を感じます、薄暗い石窟から急に外に
出ると、まぶしい南インドの太陽が1月とは言え、暑く輝いていました。

気が付くと所々に水道の水飲場が有りましたが、我々にはガイドも飲まない様
にと注意してくれました。1リッタの水を抱えて来たので安心でしたが、現地の
インド人の方々は平気でガブガブと飲んでいました。お腹の中身が少し違うと
思います、先祖よりこの地に生きて、その水を飲んで生きて来たのですから、
我々とは比較できないと思います。

それにしても沢山の人出ですが、中には4名で担ぐカゴで場内を見物する人が
いました。足の悪い見学者達です、入り口でカゴを準備して声を掛けていまし
たが、なるほどと感じました。かなり年配の白人の男性がカゴの上で揺られな
がら、カメラを構えて撮影していましたが、担ぎ人達もお客がカメラを構える
と、少し停止して撮影に協力していましたが、私も心の中で『あれは弱者用の
便利な乗り物』と感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム