死の天使を撃て!
第2話、『ブエノスに遠い国から来た狼達』
(31) 抹殺の契約、
私はまず席に座ると、『これからは、どんな結論が出てもそれだけで、
以前の事は無かった事にしてくれ・・!下手な工作は止めてくれ・・、』と
言った。
『私も絶対に口外しないし、知らなかったことにする』と話して、拳銃を
ホルスターから出すとテーブルに上に置き、そして銃口を私の方向に向けて
置いた。
ルーカスも私が預けている38口径の拳銃をカバンから出すと、同じくテーブ
ルに置いた。
彼等も同じく拳銃を三人とも、どこからか取り出すとテーブルに置いた。
私は『ニヤリ~!』と笑いながら、『えらいコッチャ~!』とおどけて見せ
た。マリオも笑っていた。
私の胸のポケットには毒牙を仕込んだ、ボールペンが有り、ポケットナイフ
もズボンのポケットに入れていた。
ルーカスのカバンの外側の下には、ナイフが簡単に取り出せる様にして隠し
てあり、カバンの底には吹き矢の筒が入っていた。
中には猛毒の矢が仕込んで有り、取り出して一吹きすれば凶器となる恐ろし
い道具も持っていた。
知っているのは私ぐらいで、竹筒の中には毒矢の予備が8本は入れて有
り、ルーカスが狙うと、20m近くは人間などは外す事はまず無いと思っ
ていた。
話しはまず、店の主人が口を切った。
『話しがまとまった様だが結論から、イエスかノーで返事を貰いたい・・』
と言った。
私は相手の目を見ながら『承諾、OKする!』と言った。
しかし、『私はライフルには手を出さない、ルーカスが狙撃する』
と話して、言葉を返した。
相手の店の主人とマリオが一瞬、ドキリとした様にして私を見詰めていた。
私は『射撃が上手かもしれないが、実戦として一度もその様な経験がない
から、土壇場での射撃が上手く行くかが心配だから、ルーカスと変わって
もらった』と説明した。
心の中では内心、『ホット~!』していた。
ルーカスが自分から申し出て、現実に金をほしそうにしていたから、彼
が金の為に仕事をする言う感じで、何か積極的な感じを受けていた。
彼にしたら3万ドルの金は生涯仕事をしても手にする事は出来ない金で、
たった一日の仕事で、一瞬の引き金を狙って狙撃する事で、それが貰え
る事は、ルーカスにとっては生涯のチャンスと私には感じていた。
私は『OK!』のサインを出してからの条件は、もし標的が逃げて行方
不明になって失敗しても、3000ドルはルーカスに払ってくれと申し
出た。
射手の失敗で無い限りは『了解』と主人が答えた。
それから一台、車を貸して欲しいとつけ加えた。
それも了解してくれ、私は四輪駆動の車を頼んだ。主人は弾をケースに
入れて20発出して来た。
そしてトランシーバーを一組渡してくれ、また高性能倍率の双眼鏡も皮
のケースに入れて渡してくれた。これで全部の装備が揃ったと感じた。
『明日は偵察で、チャンスを捜す・・、』と話すと、マリオが
『なるべくなら近くで見て居たい・・、』と、そして運転手として手助
けになればとも言ってくれた。私はそれは断った。
彼等は狙撃の確認をして、監視して居たいと感じた。
私は『ルーカスの狙撃の成功を祈って乾杯をしよう・・、』と言った。
陳氏が奥から、グラスとウイスキーを出してくると、机に置き、グラス
に注いでくれた。
皆でグラスを『カチーン~!』と合わすと飲み干した。
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