2012年8月2日木曜日

私の還暦過去帳(278)

『私のお勧め映画』

今日の私のお勧め映画は、『Into the Wild』(荒野へ)と言う、実話を
テーマ にした映画ですが、かなりドキュメンタリー映画の手法を取り入れて、
テーマの 主人公の生き様を画面が前後しながら、事実をむき出しに晒して行
きます。

原作は、Jon Krakauerの全米ベストセラー「Into the Wild」からです。
Sean Pennの監督作品ですが、2時間30分近い映画の画面を最後の最後
まで心の緊張を持って見詰めさせる画面に編集されている事は、その撮影手
法 と編集の素晴らしさが分かります。

すでに今年のこのクラスの映画では、一番の秀作との声が出ています。
粗筋としてのストーリーは・・、

『かなり恵まれた環境の大学卒業の若者が自分の全てを捨て、身分証明証
や 運転免許書、所持する現金も焼き捨て、運転していた車も放棄して一切
の 過去を切り捨て、ヒッチハイクでアメリカを横断、最後は徒歩でアラス
カの荒野 へと分け入り、最後は僅かなミスで、飢餓の為に食した毒の有る
植物に倒れて、 身体の自由を失ない、4ヶ月後には餓死した遺体でハンタ
ーに発見されるまで 心の心理状態と、彼の若い揺れ動く心の軌道を追う物
語である。』

主人公のクリストファーの身に何が起こったのか・・、その旅路で出会った
人々に 取材し、クリストファーの心の軌跡を探り、その画面から時代の流
れを見せ付ける 事が、彼がどのような心の軌道を残したかを知る手掛かり
となって、それを画面 に残していると思います。

スクリーンのバック・サウンドの音楽も、アラスカの雄大な自然を見せな
がら流れる 様は、心打つものが有ります。
若者の必見の映画と感じますが、『子供の頃に何処か遠くに行ってしまい
たい・・』 と感じたことは誰にでも有ると思います。

それを実行できるか、夢で終わるか? ただそれだけの差と感じますが、
映画の画面 から学ぶ事は人様々と感じます。

彼が多くの人と出会い、助けられ、放浪する姿に、その映像に重なる妹
の回想が この映画から彼の心の傷みが感じられ、放浪を生の姿で感じられ
る事と思います。

彼が死ぬ前に打ち捨てられたバスに残した落書きがある。
彼はそこで4ヶ月生きて、そこで餓死するのであるが・・、

『二年間、彼は地球を歩いている。電話もなく、プールも、ペットも、
タバコもない。 窮極の自由。極端な人間。路上が住居の美の旅人。アトラ
ンタから逃れてきた のだ。汝、引きかえすことなかれ。「西が最高である」
からだ。二年の放浪の後、 今度は最後で最大の冒険となる。心のなかで
偽りの人生を否定する決戦に 勝利して、精神の遍歴に終止符をうつのだ。』
後は省略、

彼が、「土地があたえてくれるものを食べて生活する」という冒険を目指し
てアラスカ の原生林に分け入り、自然が彼に与えたのは『餓死』という答え
でした。

演技派俳優として知られるペンが1997年に出版され、ベストセラーになった
ジョン・クラカワーの同名ノンフィクション(邦題『荒野へ』)を下地に、
ショーン・ペンが脚本・監督して完成させたこの映画は、雄大な米国の大自
然を 背景に、若者の魂の放浪を生き生きと描き出して、共感と感銘させる
監督として 力量を充分見せつけた、感動作と思います。

バール・ジャムのエディ・ヴェダーの主題曲も映画のスピリットを音として
我々の心 を打ち、心響かせ、感銘の心を感動と昇華させるものであります。

心打つ感動を感じさせる映画度:100%

上映時間:2時間33分。
監督・脚本:ショーン・ペン
出演: エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、
    キャサリン・キーナー、ジェナ・マローン

英語公式サイト:http://www.intothewild.com/

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム