2012年8月27日月曜日

死の天使を撃て!

第2話、ブエノスに遠い国から来た狼達、‏


41)健ちゃん、18歳の誕生日、

健ちゃんは慌てて、話し始めた。

『さきほど直ぐ側で、私達を襲った現地人が、留置所を出て歩いていた。
 手にはチパーのパンを持って食べながら歩いていて、私に手を振って
いた。』
 
と言うと、『それからもう一人は先ほど車で連れて来た現地人だ』
とせき込んで話してくれた。

我々は笑いを隠しながら、『えらいこっちゃ~!、ランチでも食べたら
追い駆けるか~!』と、ふざけたが、健ちゃんは『そんな~!いいの~!』
と慌てている!

『まず座って、何か注文して、それから腹ごしらえしてからだ』
と言うと、目を丸くして驚いていた。

しばらくは笑いを堪えたが、まずルーカスが『プ~!ガハーー!』と笑い
出した。
あとはゲラゲラと笑う私達に、ルーカスの犬まで驚いて我々を見ていた。

私は健ちゃんをイスに座らせると、良く事情を説明して、話して全て納得
させた。私は健ちゃんに、いがみ合いや、憎しみ殺し合いだけでは何事も
前には前進しないし、増して殺し合いは人間の最低の行為となるから、

私もそれを感じて、お互いが許し合いそれを心に受け入れる事で、和解が
出来るのではと、感じている事を健ちゃんに話した。
彼は納得してホットしていた。

注文の料理が出て来て、我々はがっついて食べ始めた。
犬にも何か頼んでいた物が出て来た。見たら、かなりの豪華な肉の切れ
端や、骨付き肉がパンの耳と皿に載っていた。
犬は嬉しそうにレストランの外の木陰で食べていた。

その時、健ちゃんの友達が声を掛けて来て、『誕生日おめでとう~!』
と声を掛けてきた。
我々は驚いて、『何歳になった・・!18歳~?』と声を掛けた。
健ちゃんは嬉しそうに『そう・・!』と答えると、笑っていた。

我々は歓声を上げて、握手して抱きしめた。
食後のコーヒーに近所のパン屋から買ってきたケーキを飾ると、誕生日
をお祝いした。

それが済むと、警察署に行き、受付に申し出て運転免許の申請をした。
セドラと言う身分証明を見せて、私がお金を出し受付に幾らか握らせて、

『直ぐにお願しますーー』と言うと、私が乗って来たジープのワゴンで、
健ちゃんと係官が警察署の廻りを一周して、直ぐに合格となった。

近所の雑貨屋の片隅でポラロイドの写真を撮ると、待っている間に運転
免許証を作ってくれた。

健ちゃんの嬉しそうな顔を見て、我々まで嬉しくなった。
私はその後、ヨハンスの父親のルガー拳銃とライフルや其の他、私が車
のトランクに居れていた物を返した。ヨハンスと固い握手をした。

病室を訪れマリオと陳氏に、エンカルの店の主人に預ったライフルなどと、
其の他の物を返して汽車で戻ると伝えた。

マリオは『先ほど店の主人が見舞いに来て良く話したから、後は彼と
事後処理を話してくれ・・!』と言うと、固く私の手を握り感謝してく
れた。陳氏も手を伸ばして握手して来た。

向かいに寝ているヨハンスの父親とも握手して別れを言った。

隣りに寝ている現地人が、私に聞いてきた、『私が襲った時なぜ分った
か・・?
今でもそれが分らない・・!頭の後ろにでも目があるのか・・?』と聞
いてきた。

私はおかしくなり、笑いがこみ上げてきた。
























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