2012年6月26日火曜日

私の還暦過去帳(260)

長く会わない友人と久しぶりに会うとこの歳では、一瞬、アレー!と
顔を見詰めてしまいます。

先日の事でした。久しぶりに私のお客と会いました。30年近い私の
お客でアパートの不動産の管理を請け負っていました。
一時は、香港に仕事で転勤して自宅も預かって面倒を見ていました。

ご主人はそろそろ、70歳近い歳で、完全引退して奥さんの実家が
有るサクラメントに引っ越すと話していました。最後のアパートが売
れてお別れに挨拶に来ましたので、久々にアパートの収納庫などのカギ
の引渡しで会いましたら、お互いに驚いてしまいました。

それも30年近い永い間を、時間的にしたら5年ぶりとか、3年ぶりと
かで会っていましたが、若い頃はそうでも有りませんでしたが65歳を
過ぎれば変化が激しいのです・・、お互いに健康に注意する様に話して、
握手して分かれましたが、160kmぐらい離れた所ですから、もう会
うことも無いと思うと、寂しくなりました。

その両親とも昔、同じ家で住んでいましたので、何度か会い話した事が
有りました。その両親もかなり昔に、老人ホームに引越して、そこで亡
くなられたと聞きました。
人だけでは有りません、ペットの犬も同じです、私が25年近く管理し
ていた家の犬も私が先月に辞める時は、三匹目でした。

2匹目の犬の時でした。
そこの女主人が、この犬は癌で、あと3ヶ月の寿命と話してくれました。
少し元気が無くて、一度手術をしていましたので、何か病気とは思って
いましたが、その話を聞いてマジマジと犬を見た事が有ります。

利巧な犬で、いつも側に来ると鼻先で私の手を押して挨拶していました。
頭をなでると、いっも顔が笑った様に愉快な犬顔で喜んでいる犬でした。
しばらくして、いつもマットの上で寝ている様になり、私が近寄ると顔
を上げてパタパタと尻尾を振ってくれましたが、ある日、犬が居ないの
で聞いたところが、先日、かなり苦しがって子供と病院に担ぎ込んだら、

あと僅かな時間と聞いて医者の勧めで、苦しまない様に安楽死させたと
話してくれた顔が涙でクシャーと歪んでいました。
なついて、いつも付いて廻っていた犬です。 

この歳で階段と坂の有る庭の管理と、古い家の保守は疲れる仕事でした。
最後の別れの日に、犬と二人で坂道を降りて、道路まで見送ってくれ、
女主人の家でしたが、現在で言う『シングル・マザー』でした。親の財
産を相続して、生活には困らない様でしたが、永年の仕事に感謝の言葉
をこめて、ハグをして抱きしめてくれ、犬も尻尾を振って何度も手を舐
めてくれました。

永い歳月で庭の木も大木に育ち、うっそうと茂る枝の広がりを見上げる
と、昔、彼女の小学生の子供が遊んでいたのを思い出しました。
その頃は最初の犬でしたが、その犬もなついてくれて時々は遊んでいま
した。リスを木の上に追い上げて、じっとその木の下で座っていた犬で
した。

遠い昔の思い出として、忘却のかなたに消えて行くこの記憶も、あとど
のくらい私が思い出せるか、先日、回り道をして仕事に通った時に寄り、
大木を見上げると、昔、良く散歩に歩いて来ていた老人が、その木の下
で夏の日など一休みして、連れていた犬も休ませて居たのを思い出して
いました。
そこを訪ねた後に昔からツバメが集団で住んでいる所が有りますので訪
ねて、直ぐ先のガード下にツバメが遠いアルゼンチンから飛んできて、
今年も沢山の巣を作り、見事なカーブで青空を突き抜けていく妙技を飽
きなく見ていました。
私の目は昔の子供の頃に、田植えが済んだ田圃の上をツバメが同じく飛
ぶ様を見た感じでした。

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