2012年6月20日水曜日

私の還暦過去帳(258)

私には2人の姉が居ますが、その内の一人はドイツ人です。
といっても帰化した日系ドイツ人ですが、しかし、食事こと、食べ物
に関しては、まったくのドイツ人としか感じません、それもと言う
のも40年以上もドイツに住んでいるからです、結婚相手がドイツ人
で、食べる物もドイツ食が殆どだったようです。

かなり前ですが姉がドイツから訪ねて来ました。これが一騒動で
かなり姉がショック!状態でした。
これは・・・、私のワイフは毎日の食事は、全部日本食で調理して
いますので、たまにはハンバーグなども作りますが、そこは、それー!
日本人ですから日本風となります。豆腐や混ぜるひき肉が鳥肉

であったりしますので、牛肉のみのハンバーグでは有りませんので
正確にはハンバーグとは言えないかも知れませんが、しかし味は抜群
の美味しさを誇ります・・、

そこで姉が来た様子を書くと、先ず朝はコーヒーを所望していますが
残念な事に、コーヒーは飲まないので有りません、インスタントコーヒー
が少し残り物が出て来ましたが、即・・、拒否です。

あちこちと台所を探すと、旅行先で頂いてきた一人分のパックコーヒー
が出てきました。何とかそれでごまかして居たようでしたが、朝は何か
と聞きますので、私は豆乳とサツマイモを「チーンー!」としてそれが
朝食と言うと、「ぶすー!」としています。
チーズは? バターは? ハムか、サラミはないか?と来ました。

そんな物は無いと言うと、これまた「ぶすー!」として、あきれていま
すがバターは調理用に冷蔵庫の奥に有った物が出てきて一安心でした。
コーヒーが入り、「砂糖」はどこ?というお訊ねでしたが、砂糖は私の
家では35年近くも使った事が有りませんので、調理用の有機砂糖
が有るというと、今度はミルクかクリームと言う事でした。

これも残念で豆乳しか有りません、それで姉がいわく・・!
「貴方達は何を食べているのか・・・?」と言う質問と疑問でした。
まるで日本食などは関心が無い様で、これにはチョイと驚きでした。
それも仕方がない事です、ドイツの田舎町では日本食品などは高くて
材料も中々探す事も難しく、値段も高価と言う事でした。

朝は何とかそれで済みましたが、夕食の時間となり、献立が焼き魚と
カボチャの煮付けとお味噌汁、お漬物が沢庵と白菜の塩漬けでした。
今でも忘れません・・、喜ぶかと思えば、当惑しています、
「お肉は・・・!」と来ました。残念ですが「お肉は余り食べない・・」と
言うと、これも少しお冠の様子でした。

外側は日本人でも腹の中はドイツ人です。
ブルーチーズが食べたいと来ました。朝食のトーストで食べたいと言い
ますが、あんな物を朝から食べるとは、こちらも驚きでした。

翌日でした。冷蔵庫にはハムもチーズも、サラミもブルーチーズも何でも
有ります、コーヒーもクリームも買って来てあり、ソーセージも有りました。
我が家では滅多に見られない食品ばかりでした。
リンゴの皮を剥いて食べていたら、皮ごと食べるのが美味しくて、栄養が
有ると言う事でした。

それでは皮をあげるから、食べてー!と言うと、ぶすー!と来ました。
食べ方までドイツ式でした。
姉弟ですが、月とすっぽんの差が有ります、我ながら内心驚いていました。
外人さんの居候が食事をしている様でした。

姉の様子を見ていたら、46年も昔に移民船で南米まで移住していく時に、
横浜からロスまで乗船してきたイタリア人のスクーターでの世界漫遊家が、
「食事は日本食でも何でも平気で食べられる・・」と豪語していましたが、
移民船の3等船客です、朝食は味噌汁と沢庵にどんぶり飯です、佃煮が
出た事も有りますが、朝のおかず等はたかが知れています。

イタリア人は3日もせず内に、ご飯に砂糖をまぶして食べています。
沢庵などは、見ていたらまさに「これは何で有るかー!」と言うぐらいの
目で見ています。かわいそうに、お茶の時間に出る安物のミルクビスケット
を、甘ったるいミルク・コーヒーとバリバリと食べているでは有りませんか!

売店から何か酒のつまみの缶詰など買っていましたが、直ぐに食事だけは
2等食で洋食が食べられる食堂に行きました。ロスに着くまで我々の食堂で
は、イタリア人の姿は見る事は有りませんでした。

それにしても、食べ物の習慣は恐ろしいもので、慣れと慣らされた毎日の食
生活がその人間の体質まで変化させると思います。
ちなみに我が家の今夜の献立は白身の魚と鮭のパン粉を付けたフライでした
キャベツを中心にミックス刻み、味噌汁とキューリとニンジンのぬか漬け
でした。食後のお茶にお豆を甘く煮た物が少量出ました。

勿論の事に、姉が帰ったその日に、冷蔵庫から『こなん物は冷蔵庫に入れ
て置いても誰も食べないので、ゴミに出しますよー!』と言う事でポーイ!
と捨てられてしまいました。

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