2012年6月28日木曜日

私の還暦過去帳(261)

私のお勧め映画、『SICKO』

もしも貴方が、医療保険代の月支払い額が1200ドルと、請求書が毎月
貴方の手元に来たならばどうしますか?

もしも貴方が持病が悪化して契約額を越して、医療保険会社から保険契約
を打ち切られたらどうしますか?

もしも貴方が失業して、家族の医療保険代を支払う事が出来なくなり慈善
病院での10時間、12時間の診察待ちで生活の破綻まで追い詰められた
らどうしますか?

アメリカで6月29日に封切られた映画「Sicko」(シッコ)はアメリカの
深層に触れ、触発してその痛烈な批判から来る、この世界の展望を見せて
くれます、今回もマイケル・ムーア監督の作品です。

題名の、『SICKO』とは、俗語的表現では、『変質者』という意味になりま
す。この映画を見終わってから感じる事は適切な表現と感じました。

この映画で有るような事が日本で起きれば必ず政権が崩壊すると思いますが
アメリカの様に弱者切捨ての政治で、巨額な資金と、政治家を操る巨大医療
保険会社の力と、権力に食い入った保険会社が癌細胞の様に、食いちぎり、
犯して、て最後は国家の根幹も揺らぐと感じました。

前回の2004年の「華氏911」では痛烈にアメリカの政策を批判して、ブッシュ
政権の足をさらい、かつまた世界に大きな世論の波を起こしたのは皆様がご
存知と思います。今回もアメリカが抱える医療制度の根幹を批判したもの
で、かなりの数の医療関係、保険会社が抱える問題で、はじき出された人達

にインタビユーしてかなりの資料と、関連する隣国カナダの医療制度と比べ
て実際の医療現場での実写映像が、その証拠として多くの批判的な人々の
言葉と重なり、虚偽を暴き、違法性が有る医療現場での底辺に生きる人々
の姿を捉えています。この映画を見ると、またしてもム-ア監督が政府医療
関係機関と保険会社、それに関連する医療機関、製薬会社にたいして、痛烈
なパンチを送ったと感じます。

この映画の道順から見ていくと、日本の医療関係が危機的な状態と言われて
居るが、アメリカでの医療費はGDPの約15%であり、一人あたりの医療費は
5635ドルと言われています、アメリカは日本の国民健康保険などと言う医療
保険が有りませんから、民間医療保険に加入する事になります、その比率が
36%とかなりの高率となり、民間保険会社が巨大な医療行政に、口を挟む

事が可能となります、昔の日本でも政治を動かしていた日本医師会会長が
『国民医療保険の総辞退』と言う脅迫で医療政治の舵を有利な方向に向けた
記憶を持っている方だ沢山居ると思いますが、このアメリカでは世界一の
経済力と軍事力を持って居るのにも関わらず、落ちこぼれの医療行政がまか
り通る事が、映画の中でキユーバの医療関係者が・・・、

『我々キューバの国民が出来る事を、アメリカではなぜ出来ないか?』と、

これは痛烈な批判です・・、世界で3番目ぐらいに値する医療行政を持ち、
運営してキューバ国民の健康と老人医療と新生児の対応に当る組織的な医療
機関の運営では、病院の窓口で書き込む用紙は、『名前と生年月日』だけで
保険の有無などは何も書くことは有りませんでした。映画が見せ付ける場面
がアメリカの医療関係の矛盾をより鮮明に表したと感じます。

アメリカでは高齢者や低所得者しか適用されません「メディケイド(低所得
者向け医療扶助)」しか有りません、他は民間保険の任意加入での健康保険
です。
アメリカの場合は障害者と65歳以上でカバーされる政府医療保険とが有り
ますが、それを除いた7割が民間保険に加入して1割はメディケイドで2割
が無保険と成っている悲劇が有ります。

今回の映画では民間保険業者と製薬会社をターゲットにして、アメリカの医
療矛盾を突いていますが、これは日本の老齢化社会にも警鐘として見なくて
はなりません、日本もこのまま行くと政府医療保険の崩壊も有ると言う事が
考えられるからです。

貴方も是非ともご覧下さいまして、批判と言う思考の足しにして下さい。

お勧め度、100点、

題名:『SICKO』
上映時間、約2時間
監督:マイケル・ムーア

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