2012年6月2日土曜日

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

ゲバラ残党ゲリラ追跡の思いで(15)

ヘリの音が近ずき、射撃中止の命令が出されて、銃声が途絶え、
ヘリの回転翼の音が大きく響いていた。
その時、ジョアン大尉に負傷した襲撃者から申し出があり、
ハンドトーキーの波長を合わせて、投降の呼びかけをした。
直ぐに応答があり、負傷者を連れて出ていくと連絡が有り、
直ぐに伝令が走って、先頭に隠れている兵士に告げられた。

しばらくして、負傷者を肩に、白いシャツを振りながら、男が
ジャングルから出てきた。兵士達が廻りを囲み連れてきた。
一人は足を負傷して歩行がかなり困難の様で、苦痛の顔を歪ま
せていた。直ぐに看護兵が介抱して足に添え木をして横たわっ
ていた。その時ジャングルの奥で、水場の上の
方で、ライフルを速射する音が複数聞えた。軍曹から・・、
「隠れて居た残り2名のゲリラを発見して、追い詰めた」と
連絡が有った。

すると、女ゲリラが悲鳴に近い言葉で、「私に投降を呼びかけさ
せて下さい」と大尉に哀願して、ひざまずいて頼んでいた。
許可が出て携帯スピーカーを渡されて、2名の兵士に囲まれて、
最前線の兵士がライフルを構えて伏せて居る現場に行くと、
「出て来て下さい、むだ死にだけは止めて下さい、」と何度か
呼びかけた。

返事は無かった。すかさずもう一度、射撃命令が出て、今度は
追い詰めた現場に集中して迫撃砲が打ち込まれ、機関銃も舐める
様に低く藪の中に弾を掃射していた。私は軍隊の経験も無くて、
演習に参加した事も無く、轟音と共に打ち込まれる銃弾に驚いて
いたが、直ぐに静かになり、ヘリの音だけが響いていた。そこに
ヘリからのラジオが飛込み、「上空から2名が倒れている様子が
見えるーーー!」と報告が有った。

射撃が中止されて、静かになり、襲撃者が設置した地雷は彼等が
教えてくれた場所で、砲撃にも爆発ぜず残っていた。
2個の地雷は安全ピンを戻されて爆発しない様にして、持って
きた。ヘリが広場に着陸して酷い砂埃が巻き起こった。直ぐに
襲撃者3名と女ゲリラが乗せられて飛び立って行った。
後は直ぐに静かになり、もとの静寂がジャングルに戻った。

大尉は手分けして、遺体の顔写真と指紋を取ると現場に埋葬して
遺棄された武器や食料などを集めて、カバンや服の中の持ち物を
検査して何か情報が無いか集めていた。私達は死んだラバをかた
ずけて、それが終った時は夕方近かった。ジョアン大尉は私達も
そろつて食事をする様に誘ってくれ、炊事当番が炊飯する夕食を
御馳走になり、兵士が見張りの警備をする中、ゆっくりと寝た。
 では次回をお楽しみに

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