2012年5月27日日曜日

私の還暦過去帳(248)

アメリカでは現在、コーンベルト地帯と言うトウモロコシの生産地帯が
63年ぶりの好景気に農家が沸いている。

これはアメリカがガソリン代用のエタノールの生産に穀物のトウモロコ
シを使う様にしたからだ。今年春の作付け面積が昨年比で15%増の
約37万平方キロと言う作付け面積の拡大は、代替燃料エタノールの
生産ブームが火を付けたのであるが、豊作なのに去年の2倍の価格と
なってエタノール特需がドミノの原理で連鎖反応を始めた。

大きな投資家グループが広大な農地を購入始めた関係で、農地の値上が
りと、食料価格の連鎖値上げが始まっている。
日本でも小麦の輸入価格の上昇で、うどんなどの麺類、パン、菓子など
生活に直結する価格が上がり出した。

現在の日本の食糧自給率は28%以下と言う状況で、飼料穀物でトウモ
ロコシが代表とする家畜の飼料が大幅な値上げとなり、牛肉や鶏肉など、
卵などの価格も間違いなく上がり出している。

メキシコでは、アメリカからの食料にするトウモロコシの値上がりで、
場所により5倍の価格上昇で、貧困層に直撃した主食のトウモロコシ製
品が引き金となり、すでに政府に対してデモまで起きている。

アメリカの穀物生産地帯では4月には一斉に作付けが始まり、大豆の
作付け面積の減少が大豆価格の上昇と、品薄感がシカゴ穀物市場での相
場上昇に拍車を掛けている、しかし恐ろしい予測も出始めている。
米政府は10年間で、代替燃料の供給量をエタノール換算で7倍ほどに
増やす計画だが、実現には、全米のトウモロコシ生産のすべてを回して
も足りないといわれる。

トウモロコシは甘味料の原料などにも使われ、用途が多い上に、環境保
護の観点から、スーパーの買い物袋をトウモロコシの材料で作られる環
境にやさしい新しいプラスチック素材の原料ともなって、サンフランシスコ
市でも、その新しい素材のプラスチック買い物袋しか使用出来なくなった。

この様な動きが大きな穀物生産と価格上昇の引き金となり、相対的な
世界規模の食料価格の上昇となっている。これからのインドや中国など
が石油資源の争奪戦に穀物まで組み込み、世界規模でのエネルギー戦争
が起きれば、資源貧困国の日本がいかに生きるかは、これからの政府の
政策に掛かっているが、先の無い政策が代替エネルギーの開発にも遅れ、

開発資金の不足と、認識不足が相乗効果で、エネルギー最貧国になる
のは時間的には余りかからないと専門家が予測している。
恐ろしい予測である・・・、

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