2012年5月12日土曜日

私の還暦過去帳(243)

私がパラグワイから出て、アルゼンチンに行き、用事でパラグワイ
を再度訪ねての帰りでした。アルゼンチンのポサダの町に来て
ブエノス・アイレス行きの汽車が毎日は出ていませんでしたので
街中の日本人洗濯屋さんの裏庭の離れ小部屋に寝泊りさせて貰って
いました。

それまでは小さなホテルの、シャワーも水しか出ない貧相な部屋
のホテルに泊まっていましたが、そこの食堂で出される食事は、
まあー!日本人の口にも合う様な食事が出ていましたが、
しかし夕食に出されたカツとサラダの赤カブに塩、胡椒でオリーブ
オイルだけでしたがそれにレモン汁をかけて食べたのが美味しくて
もう一度、お代わりして食べていました。

そして翌朝でした・・・、トイレに行って驚きました。
なんと、おしっこも赤い色が混じり、ウンチがそれこそ生まれて初め
ての真っ赤なウンチでした。
一瞬・・、ギョー!として心臓が『どきーん!』と高鳴るのが分かり
ました。どこか急に内臓が異変が起きて、出血したと勘違いしていま
した。

内臓出血ですから、急いで内科の医者に見てもら事を考えて、どこか
ポサダ街中の日本人に聞いてから、医者を探す事にしようと考えて
居ました。それにしても今まで一度も腹痛も無く、昨夜は何事も無く
トイレにも行ってから寝たのです。こんなポサダの町で一瞬考えたの
ですが、『俺は死ぬのかな・・・?』と心では考えていました。

日本から遠く離れた、地球の裏側まで来て病に倒れるとは情けない、
今まで色々な無理をして、ゲテモノ、悪食いなど重ねたのに、一度も
こんな事は無かったからです、めったに考えた事もない両親の顔さえ
思い浮かびました。

それにしても昨夜食べた物は、何も悪い物は食べたつもりも有りませ
んでした。そこで先日友人から紹介された日本人の洗濯屋を思い出し
て、そこで相談する事にしました。

その方はパラグワイから出て来て、ポサダで洗濯屋を開いていて、
パラグワイから来た日本人の溜まり場とも成っていました。
裏庭に離れの小屋を建てて有り、いつも誰かがパラグワイから来て、
泊まっていましたので、どこか医者を紹介してもらう事を考えていま
した。

ホテルから歩いても時間が掛かるほどでもなく、洗濯屋に行くと直ぐに
今朝の真っ赤なウンチの話をしました。奥さんが真剣に聞いて下さり、
どこか知っている内科の医者を紹介してくれるように聞きましたが、奥
さんが『昨夜貴方は何を食べたか?』と聞きましたので、カツを揚げた

付け合せの赤カブの塩、胡椒とオリーブオイルにレモン汁で合えた物を
お代わりして食べたと話しました。奥さんはしばらく考えて居ましたが、
急にゲラゲラと笑い出して、『それでは助からない・・・・!』と言う
と、『あんたもよく食べたね!あんな物を・・・』と言って、もっと
笑います。

私は『キョトーン!』として、『しかしあの赤カブは大変に美味しかっ
た・・』
と答えると、『助かる道は、もう一度同じ赤カブを食べると治る・・』
と言われそれにも驚いていました。『もう少しでお昼になるから、その
赤カブを用意するから食べて命を助けなさい』と言われ、馬鹿正直に考
えて『毒には毒で』消すかと考えていました。それからしばらくしてお
昼休みになりまして、ランチを食べる時間となり、奥さんがテーブルに
呼んでくれました。

昨夜と同じ赤カブが有り、今度はジガイモも添えて有りました。
沢山食べる様に勧められ、真剣に食べていましたが、何かおかしいので
す、家族が笑いを堪えて、今にも噴出しそうな笑い声を我慢している感
じがしていました。赤カブで死ぬのはいやですから、真剣に考えて食べ
ていましたので、そこがおかしかった様です。

私が食べ終わるとついに『ゲラ、ゲラ・・・・!』と笑い出して、
真実を話してくれました。

赤カブの色素が強烈で、必ず食べた翌日にはウンチが真っ赤に染まると
教えてくれました。ビタミンも豊富で、鉄分も沢山含まれていて、少し
甘みも感じる赤カブでしたが、生まれて初めて大量に食べて、生まれて
初めて飛び上がるほど驚いたウンチの色でした。

現在ではカリフォルニアに住んでいますが、当地では『ビーツ』と呼ん
でどこでも野菜売り場で購入出来ますが、食べるたびに、その話を思い
出します。

用語辞典より、
『ビーツとは、地中海沿岸地方原産のアカザ科のサトウダイコンの変種のこと
です。ビーツは赤い色をしたカブのような形で、輪切りにすると同心円状に赤
い輪があり、ショ糖が多く含まれているので、独特の甘味があります。固いの
で水に塩と酢を入れて丸ごと茹でてから切りましょう。ビーツは煮込みや酢漬
け・サラダなどに使います。また、ロシア料理のボルシチには欠かせない野菜
です。手についたビーツの赤い色はレモン汁で落とせます。 』

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