2012年5月2日水曜日

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

ゲバラ残党ゲリラ追跡の思いで(3) 

全員が歩き出して、馬とラバの隊列を見廻した。
先頭はルーカスが、馬で引いているラバの積荷がゆれている、
その後ろは同じくラバにまたがって、ベアトリスが歩いている。
その後ろを私が馬で付いていた。

最後はルイスがラバに乗って、荷物も少し両側に振り分けて乗せて
居る様だ。驚いた事に犬が2匹付いて来ている、雑種の中型犬で
どこにでも居るような犬であった。

黙々と舌をだして、埃っぽい道を犬達は急ぎ足で歩いて居るが
勝手知った道であるかのように、時には先を走っている。
ジャングルの小道をかなり歩き、日もだいぶ暮れてきた頃、
山の麓の谷間に着いて、キャンプする事になった。
馬とロバを繋ぎ、それぞれ、シートを広げて、寝場所を作り
ルーカスが焚き火を起して、お茶を沸かして家から持ってきた

アサードの焼肉の塊を火にあぶってナイフで切り取ると、パンを
配り食べ始めた。お茶はマテ茶であつたが私はお湯を貰うと
インスタントのコーヒーを入れた。 粉ミルクを少し入れて、
ベアトリスのコップにも入れてやつた。
犬達は焼肉の骨と、脂身の部分を貰うと美味そうに食べている。
食後、まだ明るい内に明日の早朝からの山の中を歩く用心の
為に、各自の持参の銃器を点検掃除した。

ルーカスはボルトアクションの狩猟ライフルが一丁、ベアトリス
は小型のブローニング22口径のライフルと姉から借りて来た
ベレッタの拳銃、私は小型軍用カービンといつも身に付けている
レボルバーの拳銃、ルイスは中折れの単発の散弾銃、杖の様に
しているが小型の弓、矢は5本しか持ってはいない。

全員の武器である、これに各自がナイフと現地でマチェ-テと
言う山刀、これはジャングルでの必要品で、これがあらゆる作業
に利用できる、ルーカスと私が軍用の折りたたみ式のスコップ
を持っている。私は暗くなったキャンプ地の焚き火の前で皆に
今回の追跡を説明した。

私の親友が撃たれて瀕死の重症を受けたこと、その前に知り合い
の農場の支配人をしている男性が同じく襲われて倉庫のカギを開け
た瞬間、後ろから今回と同じ様に問答無用で右胸を撃たれて死亡
してしまったことを説明すると、うなずいて聞いていた。
私は話しながら、当時の悲しい様子を思い出していたが、今回は
是非逃さずに、そのゲリラの首領格の人物を掴まえる事は不可能
でも、ただ手をこまねいて見逃す事は出来なかった。

今回は追いついてボリビア国境を超えても追跡して、彼等ゲリラ
が逃亡の頼りにしている犬を罠をかけても殺すこと、チャンス
があれば首領も銃撃して射殺したいと思っていることを話した。
私はバスのターミナルで、「ゲリラが襲撃、又は突然発砲して
来たら、反撃して射殺してもその責任は法では問わない」と
張り紙してあったのを読んでいた。

皆はうなずき、「それはあたり前だーー!」と言った。
案内の犬が居なければ、彼等はレーダーが無い船に乗っている
事と同じで、先ず襲撃は実行不可能で、夜間など逃げる事は
先ず待ち伏せ攻撃など簡単に受けてしまうからであつた。
話し終わると、それぞれのお茶のコップでこれからの無事を
祈って乾杯して眠りに付いた。蚊もいなく安眠できそうであり、
犬達が見張る様に茂みの陰で野獣の目を光らせていた。
 次回をお楽しみに、

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