2012年4月29日日曜日

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

ゲバラ残党ゲリラ追跡の思いで(1) 

今日から連載します物語は、実際に起きた事件をもとに、私が
46年前の農場支配人時代に、見聞きして、体験した事を題材に
書いたものです。一部事実と相異する事もあります、話を聞いた事
などからの、薄れた記憶からの書出しですら、単に小説の話と
割りきって読んで下さい。

朝早く、外の動きが気になりベッドから起きだしてきた。
まだ薄く星が瞬いていた頃で、寒い外気の空気が
身を引き締めて、眠気を吹き飛ばしが、私が外に
部屋から出ると直ぐに、使用人達のインジオが声を
掛けて来た。

「川向こうの農家がゲリラに襲われた~!」
「倉庫を破られて、かなりの食料品などを奪われ、
 山の方に逃げて行った。」
「農場主が撃たれて、重体で病院に担ぎ込まれた。」

直ぐに数々の情報が入ってきた。
私の知り合いの友人で支配人をしていて、昨年独立して
農場を開いたばかりの、努力家の若者であった。
たしか婚約者が居た様であったので、朝食が済むと河を
渡って訪ねることにした。

トラックターのエンジンを始動して、仕事の準備を済ませると、
一日の仕事の手配をして、インジオ組頭に指図すると、
私は馬小屋に行き、小型のカービンライフルを手に馬に
またがって出発したが、馬はなれたもので河の浅瀬を
巧みに歩いて向こう岸に着いた。

20分ぐらい歩いて彼の農場に到着したが、そこには
悲しみの空気が漂い、インジオの使用人達も仕事に
手がつかない様でたたずんでいた。
ドアを叩くと、中から婚約者のイザべラが出て来て、赤く
目をはらした顔で話し始めた。

「朝方の夜明け前に襲われた。倉庫を破られて、医療品
 と保存食が主に盗まれた。ゲリラは7人で、直ぐに主人は
 オランの病院に運び込んだ。しかし右胸を打ち抜かれて
 重体で、しばらく病院に滞在する為に荷物を取りに来た
 所だ」と話してくれた。

国境警備兵が追跡を開始したと話していたが、「ボリビア国境
を超えられると、追跡が出来ないので無理かもーーー!」
と話して、悔しそうに唇を噛んでいた。
私はその時、ムラムラと復讐の思いが心に湧いてきた。
「今度は逃がさない・・・!」そう考えてイザベラに伝えた。

その時、部屋の奥から婚約者の妹が出てきた。
ベアトリスと言って、手を差し出してきた。
「私も参加して追跡するからーー」と話して、炊事は任して・・、
連れて行ってくれたら役にたつからと、頼んで来た。
私は「女性は無理だーー!、撃ち合いになるかもーー!」と言うと

部屋に戻ると、小型のブロウニング22口径ライフルを持って
来ると。家の横に植えて有るオレンジの実を、5発連射して、
5個のオレンジを打ち落とした。私はギョッとして見詰めて
いると、すたすたと歩いて、馬小屋からラバを引いてきた。
部屋から僅かな荷物を持って来ると、乗せて用意始めた。
 次回に続く、

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