2012年5月5日土曜日

私の還暦過去帳(240)

アメリカも冬場は、ビジネスもスローな時期です。
雨などが降ると、かなり日雇いの、ヒスパニック系の若い男達が
道端に並んで仕事を待っている。

近くの大工センターの資材売り場のパーキングでも、彼等の永い列
が見られるが、その永い列が減る事は無い・・、真剣なまなざしと
彼等が喰らい付いてくる感じの気迫、じっと冬の寒さに耐えて待つ
根気と粘り、若い白人の失業者が、そこまでするであろうか?

先日も資材を買いに出かけたら、若いヒスパニック系の男が
トラックに来て、『仕事を探している、何か仕事がないか?何でも
するから・・・』の言葉をカタコトの英語で話しかけて来た。
日焼けして、かさかさに荒れた手を、トラックの荷台に手を掛けて、
頼み込む言葉は真剣で、切実さが込められている。

『どこから来た・・・』とスペイン語で聞くと、
スペイン語が解ると感じたのか、

ーユカタン半島近くの田舎から・・・、
ートウモロコシの植え付けも終わり、出稼ぎに出てきた。

そうか・・、

ーバスを乗り継いで、国境の砂漠は歩いて越えて来た。
ー一緒の仲間がだいぶ落伍して国境を越えられなかった。

いくらぐらい稼ぎたいのか?

ーしばらく働いて、家族に送金して、いくらか金を持って帰りたい。
ーこれで3回目だ、その前はテキサス州で仕事をしていた。
ーしばらく仕事が無いので、一時間8ドルでも好いから・・・、
 いや、長く仕事が出来れば、7ドルでも・・、

仕事にあぶれているのか?

ーそお・・・!ブリートしか食べていない・・、豆だけだ・・・、
ーほらー!弁当代わりに、ポケットにブリートが入っている。
(彼はアルミホイルに包んだブリートをチラリと見せてくれた)

若い様だけど家族は居るのか?

ーワイフと子供がふたり居る・・、メキシコの田舎では月に150ドル
 ぐらいしか稼げない・・、一日仕事して、4ドルぐらいだよ・・・!
 ここでは2日仕事すればそれだけ稼げるから・・、
 多い時には月に300ドルぐらい仕送りしている。
 稼ぐ時には、一度、500ドルぐらい送ったらワイフがびっくりしていた。

どこで寝ているのか?

ーアパートに泊めてもらっているが、月に120ドル払う・・・、
 4名が一部屋に住んでいる。
ーお前はチーノか?いやにスペイン語を話すではないか・・、

隣に停まっていた小型トラックに資材を積んでいたおやじが、

『その若い奴は、日雇いか?俺に紹介してくれ・・・、』と来た。
『今日一日、塀の修理をするので、誰かヘルパーがいるから!』と
話している、早速にスペイン語で仲立ちして直ぐに10ドルの時給で話が
まとまった。

ーセニョールー!どうも有難う御座います・・・、
ー貴方と話していたおかげでラッキーな事に、仕事に有り付いた。

じやーなー!がんばれよ・・・!
この水のボトルを持って行け、今日の日中は暖かくなりそうだー!

セニョール・サンキュー!

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