2012年5月6日日曜日

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

ゲバラ残党ゲリラ追跡の思いで(5)

セスナの小型機は我々の上空をかすめて飛んで行った。
何も発見され得ることなく、トランシーバー.ラジオに交信
している声が聞こえて来た。 ゲリラが早朝に炊飯している
場所を発見して、追跡時間にして四時間ぐらいの距離で追いか

けていると話していた。河の曲がり角のカーブしている場所
から国境警備兵が発信しているので、上手く行けば私らが早く
到着して、先回りして、待ち伏せ出来るかも知れないと感じた。

道が有るボリビア国境までは直線距離ではたいした事は無いが、
ジャングルの中では、簡単なことではなかった。
それと、河岸が平坦で、渡河出来る場所は限られていたからで、
ゲリラが荷物を持って、渡河出来る場所は2ヶ所しか無かった。

それも人の目につかず、安全で、荷物を持って歩いて簡単に渡
れる場所は1ヶ所しかなかった。そこからでは、ボリビア国内
へは簡単にどこの方角でも道が有り、私が推察しても軍のプロ
が追跡していても、感じる場所は1ヶ所に絞られる。
私はルーカスにも聞いてみたが彼も同じ答えで有った。

200mから時によっては、250mの幅で、そのどこかの間で
渡河すると思われた。正確に時間計算してゲリラの徒歩の時間を
推測してみた。余り休んでいる暇はなかった。時間的に追跡して
いる国境警備兵に追われる、ゲリラの方が休み無く正確に徒歩で
ジャングルを歩いて逃げている感じで、我々もそれに合わせて
急がなくてはならなかった。

ボリビア国境を越させない様にしないと、後で面倒が起ると
感じていた。その前で待ち伏せして、罠を掛けて、チャンスが
有れば、ルーカスに射撃の腕を見せて貰う事が出来ると思った。
時間との戦いで、根気と忍耐とを身体に秘めて、私は復讐の
チャンスを狙っていた。
次回に続く

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