2012年5月14日月曜日

『ゲバラのゲリラ残党を討てー!』

ゲバラ残党ゲリラ追跡の思いで(8)

我々は緊張して隠れていたが、ベアトリスが物陰から短く口笛
を鳴らした。すると近くで甘えた「キューン~、ワンワン」と
低く犬の鳴声がした。ベアトリスが道に走り出ると、大声で
「チャオ~!早くおいでーー、ここだよ~!」と言うと黒い
犬が弾丸のような早さで、ベアトリスに飛びついて来た。

ちぎれる様に尻尾を振って、べろべろとベアトリスの顔を舐め
廻して、全身で嬉しそうに表現している。犬の背中に小さな
カバンが首輪と一緒にセットしてあり、そこに紙切れが入って
いるのが直ぐに分かった。ベアトリスは直ぐにそれを出して
皆の前で読んだ。その手紙は彼女の父親からで、

「お前を追いかけて来たが、この手紙を書く前にカウアンと
 出会った。今回はゲリラが追い詰められて危険だから、森林
 伐採キャンプには近寄るな、危険な対人罠か、地雷を仕掛けて
 有る危険性が有る。ボリビアからの越境して来た特殊部隊が
 潜んでいる可能性もある、国境警備本部から情報を得たから、
 ひとまず犬を先に走しらすから、その場で停止して隠れて待っ
 ていてくれ、すぐに追い付くから。父よりーー」と有った。

間一髪の事で、我々はラバが降りて行った道を見詰めていた。
ラバだけを下の水場に追い立てて放したことでホットしていた。
しかしその瞬間「ドカーン~!」と言う爆発音を聞いた。
かなり大きな音で、近くの山と谷間にこだましていた。
「地雷か~!」ルーカスは反射的に言った。
「かなり大きな炸薬が破裂した音だ、多分、罠のヒモを踏むと
 地雷の炸薬部が空中に2mぐらい飛び出して炸裂する、
 特殊地雷かも知れない」と話した。
「おそらくラバは即死だーー!」
「その型の地雷は隊列を組んで歩いている、兵士などを一度に
 殺傷する型で、かなりの威力があるから恐ろしいーー!」と
話していた。

私は軍隊の経験も無いので、そんな事は何も知らなかった。
その時、わき道の茂みの陰から、下からラバが一頭かなりの早さ
で掛け上がって来るのが見えた。口から泡を吹いて、驚いて
走って来るのが分かった。
我々の姿を見つけると、安心した様に近寄り、緊張して耳と尻尾
を絶えず激しく動かしていた。ルイスが近寄り自分のラバと確認
して、軽く何度も鼻先を触り、落ちつかせていた。

怪我もしてはいない様で、おそらくかなり後ろをルイスのラバは
付いて歩いていた様で、前に歩いていたルーカスのラバは死に、
ルイスのラバは無傷で無事で有った。我々は静かにしてベアトリス
の父親が到着するのを待っていた。
その後、意外な展開となった来た。下の水場でバンバンと連射
する銃声を聞いた。
 では次回をお楽しみに、

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