2012年3月14日水曜日

私の還暦過去帳(196)

アメリカでは生活の中で訴訟問題は身近な問題として有ります。
日本的に言えば、まるで下駄履きでの法廷での争いとなる感じです。
私が昔に初めて法廷に出たのは、小額訴訟専門のコートでした。

5000ドル以下の訴訟はそこで争います、簡単で当時30年も前は
1ドルで、1枚の所定用紙に書き込みすれば良かったので、また法廷
は夜間7時からの開廷も有りました。簡単で白・黒を争う事は時間的

には20分ぐらいか、掛っても一時間は過ぎることは余り有りませんで
した。私の長男が高校生の時に、学校で、模擬裁判で州の最終コンテス
トまで出て、模擬裁判をサクラメント州都で本物の法廷で争いました。

残念なことに、優勝は逃がしましたが、その時の同じクラスの長男の同
級生は現在は本物の弁護士となっています、子供の頃から、法廷での
訴訟を体験させて、善悪と正義、法に対する義務と履行の仕組みを

体験させる事は大変に有意義と思います。 そんな事でアメリカでは
裁判が日本みたいに肩苦しい感じではなく、簡易裁判所では作業靴で、
ジーンズの労働者が来ていました。ペイント屋さんが自動車修理屋

を訴えていたのを見学していたのですが、トラックを修理するのに夜間
駐車場にカギを掛けずに置いて、荷台のペイント道具を盗難に合い、
修理屋の責任と言って『盗まれた道具代を弁償しろ』と言う事でした。

判事は両方から意見を聞いて、ペイント屋が買った当時の領収書を
見て、判決を言い渡していましたが簡単に即決で済んでしまいました。
ペイント屋がほぼ請求全額を貰っていた様でした。この様に簡単に訴訟

の判決が出て、白・黒の判決が出ますので、金銭が絡む裁判はこれが
一番簡単で分りやすいと感じました。もしも、これが不服であれば上級
の裁判所に行く事は簡単です。私の場合は、私が訴えた相手が法廷に現

れず、判事が開廷を宣言して、名前を呼んで返事が無かったので、あわ
てて書記官が捜したのですが、出廷していなかったので、その場で私に、
『相手が裁判放棄』した事を言って、全額を相手が払う様に宣告しました。

私が日本式に判事に深く頭を下げると、何を思ったのか、訴訟金額に
延滞金を20ドル利息分を付けてくれました。ありがたやー!でした。
25年近く前ですから、20ドルはかなりの金額です、オフイス管理費
の不払いでした。

それからは、私もアメリカ式に頭を完全に切り替えて、生き方がアメリ
カ社会に即した対応で入って行きました。おかげで今日まで、色々と
体験しましたが、私がその中で一番驚いたには告訴・告訴と喚いていて、

いざこちらが本気で居ると、その事がハッタリの脅しであったり消えて
しまったりの相手が沢山居た事です。現在では携帯の写真が簡単に写せ
ますので、カメラやビデオは今は持った事は有りません、証拠の写真は

携帯で十分ですから。パチリと携帯でペット禁止の貸家で、猫や犬を写
して、三日間の警告書を出します、その間に相手が対応しないで放置
したら契約解除を通告します。私の仕事は携帯電話一本で全てが済んで
しまうビジネスですから、これまた携帯電話様・・と言う事になります。

今までに4回法廷に出ました。その内、3回は裁判不成立で終りました。
先ず第一は相手が告訴を取り下げて、裁判所に行ったら公判中止と書
いてあり、無駄足でした。2回目はオーナーの証人として出廷したら相
手が法廷に出席せず、これもその場で我々の勝利ですぐに閉廷でした。

3回は集合住宅内での住居者同士の喧嘩で、証人として呼出しが有り、
裁判所に行くと、和解したとの事で時間の無駄でした。これには少し頭
に来て、『なぜ連絡してくれないか…』と言ったら、今朝和解したと言
う事でした。どちらにしても私には良い経験となりましたが、アメリカ

の裁判は陪審員制度ですから、私はアメリカの市民権を取得しています
ので、選挙から陪審員までの義務があります。
しかし法廷に呼出しがあり、『やれやれーー!一日仕事を休んで、法廷
の陪審員席に座るのかー!』と思っていました。

電話インタービューの審査の時に『キングス・イングリッシュもアメリ
カン・イングリッシュも解らないが、ジャパニーズ・イングリッシュは
上手に話せる』と言ったら、笑っていまして、
『今回は来なくて良いー!』と電話を切りました。

それ以来一度もお呼びでないのは、『あんな爺さんに、法廷でジャパ
ニーズ・イングリッシュで話されたら、法廷がおかしくなる』と思った
からと、今でも感じます、アメリカに来て、36年以上も住んだらそれ
は色々な事が有りますよね! 

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