2012年3月30日金曜日

私の還暦過去帳(210)


かなり昔の話です。
私が学生時代に夏休みで帰郷していた時でした。
友達の田舎の友人宅に遊びに行きましたが、そこの農家ではハウス物
の野菜を栽培していました。キューリなどが主でその他高級メロンな
ども栽培していた様でした。

私は昔から土に対して興味が有り、良く近所でも手伝いなどもして作
物に触れていました。友人宅では収穫した野菜を出荷するので、納屋
では選別してダンボールに箱詰めしていましたので私も友人と手伝っ
ていました。お昼になり昼食の時間で、私がキューリをこれ、

『バリバリと食べたい』と話すと、『これは出荷用の野菜だから!』
と言って、私を案内してくれた家族用の有機栽培の野菜畑でした。
『ここなら、どこに生っているキューリやトマトでも、どれでも良い
から採ってきなさい!』と教えてくれましたので、

なぜかと聞くと、『ここは農薬を一切使用していない・・』と聞くと
私は考えてしまいました。農家の家族が食を控えるのを見ていて当時
の生産出荷体制に疑問がわいてきました。出荷するには少しでも傷や、
虫食い、カビや大きすぎても小さ過ぎても曲がっても商品にならない
と嘆いていました。昔はリヤカーに載せてカゴに山盛りして売りに出

たと言っていましたが、今ではダンボールの出荷しか認めてくれない
から、その箱代も馬鹿にならないと言っていました。
安い時は箱代にもならない時が有ると言って、その箱を再利用して出
荷したと言っていましたが、これは消費者の好みだから仕方がないと
言って嘆いていました。

ハウスでの栽培で、同じ土地の使用で土壌消毒から始まり、殺虫剤や
ホルモン剤なども時には使わなければならないと言っていましたが、
全てが消費者が選択して買うのであれば、仕方が無いとあきらめて
いました。それからハウスの温室を2箇所ばかり指差して『あそこは
殺虫剤を散布したから絶対に中に入らないで・・、』と言われ、唖然
として、見ていました。

色艶や出荷時に見栄えが良くなる様にワックスも掛ける果樹園も有る
そうですから、これからの食生活がどうなることやらと一瞬考えてし
まい、呆然としていました。スーパーなどの食品売り場ではピカピカ
に磨かれた果物、野菜の真っ直ぐで1cmも差が無い大きさ、規格さ
れた野菜でないと陳列されてはいませんでした。

これも全て消費者と言う『王様!』のご希望だと・・!

昔のモヤシは根が付いていました。今ではずんぐりの太った根切りホ
ルモン処理のモヤシです。それが当たり前となり加工食品の氾濫と添加
物で処理された食品が普通となり、全てが消費者の『わがままと好み』
での生産と販売流通網となっています。養鶏場でも養豚場でもホルモン
添加の飼料での肥育となり、短期間でもっとお客の好む肉となって出荷

されている世の中では、もはや自分の命は自分で守らなければならない
とその時点で考える様になりました。家庭を持ってからは子供に安全な
食品と考えて、自分で栽培した有機野菜を裏庭で栽培する様になりまし
たが、今はアメリカの流通食品では生鮮食品の鮮魚や野菜などは、養殖
か野生か書かなければなりませんし、有機野菜では必ず認定された農場
と、出荷ラベルが付いている様になりました。

今までアメリカに来てからも、使用禁止された農薬は『DDTや2・4D、
2・4D5 リンデン、クロデーン、』など私が覚えている薬品だけでもか
なり有ります、以前は安全として使用が許可されていたものです、これ
からも時代が変化して行く過程で、我々自身が気を付けなければならな
いと感じます。もはや有機食品を、自然な調味料で、添加物無しの加工
食品を食べて生き残りをしなくてはならなと切に思います。
貴方は如何ですか?

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