2012年3月20日火曜日

私の還暦過去帳(201)

だいぶ前になります、確か25年ほど前になるかと思いますが、私が
集合住宅の管理を請け負っていた時でした。
当時はかなり高齢者が引退して住んでいましたので、暇な人が沢山住
んでいて、仲良しになりました。しかし中にはかなり酒好きな人も居て、
昼間からアルコール臭い息で話しかけて来ていました。

あるとき、私が折れた散水装置のパイプを修理していたら、驚くなかれ、
前に酒臭い息で話しかけてきた老婦人が、買物に行くのか家の前の車庫
に出てきました。かなりの千鳥足で、まるでフラフラと身体が揺れてい
るでは有りませんか。一瞬、ぎょー!と感じました
が、まさかあんなに酔っては、運転は無理と思って見ていました。

ハンドバックを片手にユラユラと身体が動き、足がもつれて片側の板塀
につかまって歩いていますので、私も目を見開いて見ていました。
車の鍵をハンドバックから出して、車のドアを開けようとしていますが、
それは見ていても可笑しい様な動作でした。鍵束が大きくてかなりの鍵
がぶら下がっていますので、それを探すのが大変な様でした。

あきらめもせず、かなり時間を掛けて開け様として、手が滑って鍵を
地面に落としてしまい、今度は、その落とした鍵を拾うのが大変な感じ
で腰をかがめて、探している様子が感じられました。その頃には私の
心臓が『ドキドキ・・』と高鳴り、まさか運転はすることは無いと思っ
ていたのが、だんだんと心配になり、ハラハラして見ていました。

散水の配管修理など心配で手も付かず見ていましたが、まさかー、が
本当になる可能性があります。あれでは間違いなく事故に一直線で
『バシャーン!』と行くことは間違い有りません、鍵がタイヤの陰に入り
探している当人には見えませんので、老婦人が私に気が付いて、ちょいー
、とお呼びで、鍵を探してくれと頼んで来ました。

私は一策を考えて、大げさな身振りで車の下を探して、わざと鍵を側の
植木の下に上手く見えない様にして押し込んで仕舞いました。
これで安心と、老婦人には『見付からない・・』と言って自分の仕事に戻
りましたが、ブツブツと言って家に戻って行きましたので、ホッとして胸
をなでおろしていました。

しかし、2分もしないうちに今度は合鍵か、スペアの鍵を持って来たでは
ありませんか!、私は今度は飛び上がるぐらい驚きました。見ると首にヒモ
で掛けて有ります、絶対に落とすことは有りません、それにギョ!とする
くらい、倒れるかと思うぐらい、振り子の様に揺れているでは有りませんか、
まさに千鳥足どころでは有りません。さっきの『心臓ドキドキ』などより

もっと酷い、今度は心臓が『ぎゅー!』と危険信号の様な感じで鳴り出して
います。老婦人は、今度は上手く車のドアを開けて、アッと言う間にエンジ
ンを掛けて『グワー!』とアメ車のV8エンジンの大型車を運転しようと
しているでは有りませんか、まさにピンチー!と感じた時、ふと思いついた
事は老婦人がハンドバックを持っていなかったので、その車の窓に飛び付いて、

『ハンドバックがなければ買物も出来ないよー!』と怒鳴りました。
そしたらなんと・・・、

『そうだね・・・!』とエンジンを切ったのです、私はまさにピンチを切
り抜けた感じで、ホッとしていましたが、車から降りて、またヨタヨタと家
に戻って行きましたが、まだ安心は出来ません、ハンドバックを持って戻っ
てくるかも・・・と考てハラハラしていました時に、『ドシャーン!』と
派手な音が響きまして、人が倒れる音がしました。慌てて見に行くと、

玄関の前の植木鉢をなぎ倒して老婦人がぶっ倒れているでは有りませんか!
怪我は無いようですが、したたかどこかをぶっつけた様で、ぎー!と声を出し
て助けを求めていました。駆けつけた隣の住人の手を借りて、部屋に担ぎ
込みました。それにしても話しによると80歳近い年齢で、よくもマァー!
と感心するぐらいのおばさんでしたが、アメリカでは車が無いと本当に困
りますからね!しかし酔っ払い運転ではこれはいけません。

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