私の還暦過去帳(169)
私達夫婦が食べ歩きをして、近所に新しく開店した店が、かなり
ベトナム人達の社会でも評判が良くて、早速に出かけて行きました。
私のワイフはパートで学校の公務員をしていますので、そこの用務員
がベトナム人で、ベトナムから1970年の半ばに移民してきた人でした。
去年初めて、サイゴンとの直行便の飛行機乗り入れで里帰りしたと
言っていましたが、家族そろっての郷里訪問はいかがな感激だったか
と想像しました。その方の紹介での店でした。
彼等の口での、味覚での評価ですから、まずまずの店と思いまして
その越南米粉麺店を訪ねました。
店は綺麗で、全部新品で設備も近代化して見ただけで清潔感があり、
対応も若いベトナム人達がきびきびとして、対応する接客態度は他の
店とは少し差がありました。先ず初めての試食ですから、そこの店の
味の基本スープを見る為に、麺も米粉のありふれたベトナム麺を頼み、
スープも普通の海鮮麺に入っているスープで試しました。
まずまずの合格で、あっさり味で癖も有りません、何種類かの出汁を
ミックスした感じでした。麺もワイフは平たい麺、私は細い麺を頼ん
で食べ比べました。どちらも合格で、食感も舌触りも程よく食べる事
ができました。ゆっくりと食事を楽しんでいる隣りのテーブルに中年
の男性が座り、注文したのは生の牛肉を麺のスープに『しゃぶしゃぶ』
の様に浸して食べる麺でした。見ていると皿に薄切りされた牛肉が丸
く並んでそれを箸でつまんで、スープに泳がす様にして、『レンゲ』
のスプーンに垂らした、少量のニョクナムとカラシに、チョン~!と
浸すと、パクリと美味しそうに口に入れました。
見ていると霜降りの牛肉が美味しそうです。食べている顔も幸せな感
じを受ける、食の幸福感に浸っているような感じがしました。
それから麺を箸で摘み上げて、すする様に食べています。見ていても
直にその雰囲気が感じられ、長い麺を持ち上げて口に入れる動作も
慣れて、すばやく感じられ、本物の麺を、本当のベトナム人が食して
いると思いました。
町中のありふれたベトナム麺の店ですが、人間模様の食の世界を心に
感じる場所でした。
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