2011年10月23日日曜日

私の還暦過去帳(78)

だいぶ昔になります、レバノンの動乱でアメリカに難民として家族と逃
れて来た人でした。私が管理していたコンドの集合住宅に住んでいまし
たが、サンフランシスコの郊外のマルテイ-ネスと言う所で小さなレス
トランを買って営業を始めました。オーナーが料理して、ワイフがかた
ずけなどをして、パパ・ママのレストランでした。ウエイトレスが一人
働いていましたが、外のパーキングなどは自分で週末に管理清掃もして
いた様でした。

しかしある日、スプリンクラーの散水装置のパイプとタイマーが壊れ修
理を頼んで来ましたので、見に行く事になりまして簡単な修理で、その
場で簡単に修理が出来ますので始めました。パーキングに来たお客が乗
り上げて、パイプを折っていたのでした。それそれと慣れた仕事です.

簡単に修理を済ませて、パーキングの外を見ると、そこには黒人のかな
り大きな体格のおネ~さんが歩道で立ったまま、トローンとした目でツ
バをペットはいていました。すると通りを走っていたパトカーが目ざと

く見つけると、ス-ッとパーキングに入って来ました。どうやら薬物中
毒者の様です、降りてきたポリスはハンサムでガッシリとした好男子で
した。腰には自前の44口径のマグナムのダデイーハリーが好んで使った、
S&Wのレボルバーをぶら下げて、警棒も特別のカンフーで使う様な物
をぶら下げて、まさにそこのけ、そこのけの感じでのっし、のっしと歩
いて来ました。私はドキドキとして藪の蔭から見ていました。

その時です、黒人のおネ~さんがパット、ポリスに気がついてワーワー
怒鳴り出しました。ドドーー!と二人がもみ合い互角の勝負と思ってい
た瞬間です。
ポリスが身体を二つに折り曲げて、両手で股のあそこを握り締めて、ま
さに『ドサリー-!』とブッ倒れてしまいました。私もあっけに取られ
て見ていました。

どうやら私が見る所では、男の急所のあそこを『ぼかり~!』か、『べ
こ~!』と蹴り上げられた様です、好男子のポリスも台無しです。
ぎゃ~!と喚いて半分ほど白目が出た様な感じで、うめいています。哀
れなものですーー!

しかし笑うわけにはいきません、直ぐ側です。黒人のおネ~ちゃんはま
るで勝ち誇ったゴリラの様に両手を高々と上げると、興奮が爆発した様
です。

今度はぐぁ~!と喚いてポリスに飛びかかりました。腰に差しているピ
ストルに食らい付き、それを奪い取ろうとしています。私もどうなる事
やら不安になり真剣に見ていました。頭の中で、黒人のおネ~ちゃんが
奪い取ったピストルを両手に振りかざして、『メイク・マイ・デ-ーー
ーー!』とニタリと笑いながら『ずど~ん!』とポリス目掛けて、撃ち
まくる事を想像していました。

ま~!そんな事は無いだろうと思いながら、少し心配して見ていました。
ポリスは身体の下にピストルを隠して、必死で防戦しています。今度は
手薄な腰の警棒を簡単に奪い『ボカリ~!ボカ--!』と派手に殴り始
めました。
ポリスも反撃して相手の足をすくい、倒してしまいました。しかし横た
わったままです、もう少しぼか~!と急所か、頭を殴られたら失神して、
ピストルは奪われ、最悪な状態となっていた様です。私も見てばかりは

いられなく、ポリスに声を掛けました。『何かヘルプは要りますか~!』
『頼む~!警棒を取り上げてくれーー!』とすぐさま返事が返って来ま
した。私もそれではとおネ~ちゃんが膝を付いて警棒をふりかざした所
を『ひょいと~!』後ろから腕をねじって取り上げてしまいました。

そして見ると格闘で破れたシャツから防弾チョッキらしき物も見えます、
だいぶ酷くやられた様で、近くで見るとかなりコブが出来ている様で哀
れな感じがします。片手はまだ股のあそこをしっかりと握っている様で
す。

私の友人が野球でボールを受け損ねて、あそこに直撃して慌てて病院に
担ぎ込んだら、冷やすしかないと言っていました。その時はソフトボー
ルぐらいになり酷く、うめいていたのを覚えています、それからは赤ち
ょうちんの飲み屋の前に置いてある大狸のぶらりと下がった物を見ると、
思い出しては笑いを堪えるのに苦労していたが、今度は笑えない悲劇に

なる可能性が有りますので、チョイ~!真剣でした。アメリカのポリス
は現在では服務規定で勤務時間内は防弾チョッキを着用しなくてはなら
ない事になっている警察は沢山有ります、しかし防金チョッキなどとは
聞いた事も無く、見た事も有りません。有ってもそんな物を着けて蟹股
でヨタヨタと歩くのを想像しただけで、笑い出してこれーー、仕事には
ならないと感じます。

警棒で叩かれなくなり、ポリスは少しは元気を取り戻して、手錠を取り
出すと何とか掴まえ様としています、しかし敵もサルもの、どでかい女
です、金落しで互角と争っています。私も見かねてもう一度声を掛けま
した。
『もうヘルプは要りませんね~!』『チョットーー!相手の手を押えて
くれ~!』と追っかけて頼んで来ました。私もそれではと女の片手を押
さえますと、ホットした様に手錠を掛けてしまいました。そして近所に
有りました金網に片側をパチンと結わえると、股の被害個所を両手で握
ると、盛大にうめいていました。

おネ~ちゃんを見ると、観念したのか少し静かになってもがいていまし
た。いやはや驚いたショーです、お金を出しても見られない活劇です。
そのうち誰かがポリスに電話したらしくて、もう一台のパトカーがやっ
て来ました。アッと言う間に足と、両手に手錠を掛けられ、地面に転が

されていました。まるで巨大なミノムシの感じがします。職業とは言え、
えらい災難ですーー!ポリスはまだ、うめいていましたが、私もいつま
でも付き合っては要られませんので、仕事も終り帰宅しました。

それにしても、男の急所とは良く言った物です、今度私もあの世とらに
行ったら天上の神様に、どうして男だけにあんな物を股ぐらにぶら下が
る様な物をお付けになったか訊ねてみる事にしています。

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