2011年7月24日日曜日

私の還暦過去帳(19)

今日のお話は、1966年の南アフリカのケープタウンでのお話です。
題して、「アパルトヘイトは怖くない」。

私が南米から日本に帰国する時で、ケープタウン経由で船便で帰って
くる時でした。
南アフリカで停泊していた時、場所はケープタウンの町でした。
まだ疎の当時はアパルトヘイトが施行されていましたので、黒人と白人
の分離政策がなされていて、夜になると黒人は黒人居住区に帰ってしま
い街は静かなものでした。

船はオランダ船籍で高級船員は皆オランダ人でした。下級船員は
全部中国人で、広東系の人で殆ど香港で雇われていた様です。
船長以下高級船員の家族は南アフリカに住んでいましたので、

停泊が永かったのです。船は日本と南米を結ぶ、当時の南米行き、
アフリカ経由の定期航路でしたので、家族は殆どケープタウンに住ん
でいた様です。おかげでだいぶ永く停泊してくれましたので、あちこ
ち見物する事が出来ました。

日本語の分かる中国人が皮肉に「高級船員の生理休暇だ!」と
笑っていたのが印象に残っています。南アフリカはオランダ人が開拓し
た所も多くて英語もオランダ語が混ざった独特の英語です。それだけに
オランダ人の勢力が強かったのだと思います、当時の私は若かったので

人種差別など、「クソ食らえ――!」と、それと南米は余り差別は感じ
させませんので、特にブラジルでは楽しい思い出が沢山有りましたので、
疎の落差が大きいのには驚きました。

黒人が白人と対して、「サー」「マスター」などと返事に必ず使ってい
ます、我々の感覚からすると卑屈な感じです、港で働く労働者は特に
白人に注意している様でした。

船から下りて街に遊びに行く時、税関のゲートを通る時、生意気な若い
白人の税関使が居たのです。その言葉使いが先ず「カチーン」です、
そこを通過して、疎の時友達4人で「ナメルンジャ~ネーー!」と
日本語でやり返しました。

相手は我々を中国人と思っていたのです、オランダ船は殆ど下級船員
は中国人でしたので、ろくにパスポートを見もしないで脇に居た若い
税関使が「カチーン」と来る言葉で歓迎してくれたので、ますます印象
が悪くなりまして、あまり良い気分では有りませんでした。

港の近くの酒場でまず冷たいビールを飲もうと出かけましたが、
我々4人が入ると一瞬「シーン~ーー!」です、中は全部白人です、
勿論全部カウンターの中の人間も白人でした。

4人でカウンターで、ビールを注文しました。
無言でしたが、注文したビールが出てきましたので内心「ホット」して
飲み始めましたら、近くで飲んで居た船員らしき白人が「日本人か?」
と話しかけて来ましたので、少し気分が楽になりまして飲んでいました。

日本にも行った事が有るそうで、南アフリカでの注意も教えてくれまし
たので、だいぶ役に立ちました。
レンタ.カーを借りて内陸部にドライブした時、黒人居住区の貧しい
住宅地を過ぎた時にケープタウンの町との格差に驚いたものです。
それと公園などで、準白人待遇の東洋人も締め出す、
「ヨーロッパ人専用」と書かれた標識が有るのには驚きました。

当時まだ世界でも有数の黒人分離政策をしていましたので、白人優位の
政策が浸透していたと思います、毎日の様に通過していた税関のゲート
で例の若い白人の役人とだんだん剣悪な様子になって来ました。

英語の上手い友達が、からかったのです、それもキングス.イングリ
シュで、売り言葉に買い言葉でーー、それと疎の役人が近くの倉庫で
荷役労働者の黒人を何か怒鳴りながら、こずき回しているのを見てし
まいました。

これで仲の良い友達4人が切れてしまいました。
「頭にキターー!」のです、出航の日、計画は実行されました。
若い白人の役人が乗って来ている、自家用車をイタズラする事でした。
ピカピカに磨かれて、事務所の近くに置いて有ります。出航10分前の
ドラがなる前に、さーっと降りて、風の様に、時間にしたら20秒ぐら
いです。

「ぎぎーー、がりがり、ぶちゅう~、ガッンーー、キーーー」
そんな感じで4人ですので、タラップが上がる時には船室でTVでも
見ていました。

血の気の溢れた若い日本人の無謀なイタズラです、船は出ていく煙は残
るさぞかし若い白人の役人も、腰をぬかしていたと思います、誰かが言
いました。
「口は災いのもと」「人種差別の用語も災いのもと」、

今から思えば、馬鹿な事をしたものです、皆様は真似してはいけません
このジジイも昔は若い時も有ったのです、友達もそれぞれ現在は良い
親爺になって、孫も居ます、そして現在は、南アフリカは黒人政権が
誕生して、人種差別のアパルトヘイトも無くなっています。
今日はこの辺で、又お話致します。

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