2011年7月18日月曜日

私の還暦過去帳(15)

だいぶ昔の話になりますが、面白い話しが有ります。
 カリフォルニアではスクールバスが生徒の送り迎えをしている所が沢
 山有ります。
 朝のラッシュアワーでした。仕事に出かける所で信号を待っていまし
 たところ、隣りの車線にスクールバスが止まり、並びました。
 すると窓から小学生らしい生徒ですが、こましゃくれてひねた感じの
 子供がこちらを見ています、パチンーー!と目が会いましたとたん、
 白人の子供は中指を立てて、何かアジアンをケナス言葉を吐きました。

 ジジイも歳も忘れて、「カチン~!」です。
 朝から気分が悪くなりました。
 例のごとくジジイの反骨の意地悪精神が「むらむらーー」です。
 黒人運転手のおばさんがチラリとみて、子供に注意しています。
 私は近くの小学校を知っていますので先回りして、スクールバスが停
 車する隣りのパーキングに入れました。

 まずシャツの腕をまくり上げて、野球帽子をアミダにかぶりなおすと
 外で立って待っていました。
 中々来ませんので時間潰しにタイヤの空気圧をテストする棍棒でタイ
 ヤを「ボンー、ボンー」と叩いて音を聞いていました。
 するとそこにバスが入ってきました。

 「チラリーー」と見ると先ほどの子供が目を見開いて「ぎょ~!」と
 見ています。今度は目が会うと「ピヨン~!」で瞬間で消えてしまい
 ました。

 バスの出口で口をひん曲げて、細い目を益々細くして、腕組みして立
 っていました。

 黒人のバスのおばさんは「げらげらーー」笑っています。
 中々先ほどの白人の子供は降りて来ません。
 友達が大きな声で、「そらみろ~!いわんこっちゃない~!」とさと
 しています。「出ていってあやまれ~!」と廻りから言われています。
 私は何も、一言も言いません。

 出口で立っているだけですが、凄い効果があります。
 バスのおばさんが早く降りろと怒鳴っています。
 すると先ほどの子供が両脇を友達に抱えられて、13段の死刑執行の
 階段を歩くごとく、とぼとぼーーと出て来ました。

 うつむいたままです、友達が、「早くおじさんにあやまれ~!」と怒
 鳴っています。「お前があやまらないと絶交だ~!」と隣りの子供も、
 「先生にいいつけてやるーー」と怒鳴っています。
 その時、蚊の泣くような声で、べそかいて、「ごめんなさい~!」
 「二度としませんーー」と言いました。

 子供達は「おら~い!それでなくちゃ~!」と口々に言います。
 一人の子供が私に「あいつは謝ったのだからーー、握手してくれる」
 と聞きました。
 私も「OKーー!」です。私と子供が握手すると「ワ~!」と歓声が上
 がり、先ほどの子供はもう一度、「ごめんなさいーー」と言うと、走
 って学校の中に消えて行きました。

 バスの黒人のおばさんもニコニコして見ています。私は手を振って挨
 拶して、車を発車させました。
 時々、スクールバスを見るとその事を思い出します。

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