2012年2月22日水曜日

私の還暦過去帳(175)

カリフォルニアも春の陽気となり、若葉が伸びて来ていますが、
二月の終わり頃に良く遅霜が降りる事がありまして、油断は
出来ません。先日もTVで今年の冬で一番の大霜が降りると
予報していましたので、オレンジの実を全部収穫してしまいま
した。

私が42年前にパラグワイからアルゼンチンのブエノス・アイレス州
に出て来て、友人と160kmぐらい首都のブエノスから離れた
町で蔬菜栽培を始めていた時です、チビリコイと言う田舎町で

その町がイタリア人達の入植者で開かれ、建設されたのはまだ日
が浅い1900年の頃で、当時やっと町の中央に有る公園に植え
てあった並木が10cmぐらいの木に育っている頃でした。

1964年で、公園の隣りの街角に建っていた銀行に警備の警察官
が旧式なレバー・アクションの西部劇映画に出てくるライフルを構
えて入り口に立っていた時代です。その町はペロン大統領の奥さん

となった、エバ・ペロン(エビ―タ)と呼ばれた彼女が幼年期に一時
期過ごした町でも有ります。戦前の侘しい田舎町では鉄道が唯一の
首都からの交通機関でしたが、私が住み始めた頃はバス交通が全盛
を迎える時代でした。

その頃は牧畜産業が唯一の町の基幹産業で春先の小麦生産と
合わせてトウモロコシや食料油生産に利用されるヒマワリ、大豆など
の農業も盛んでした。雨が降るとカンポと言う牧場地帯からは、馬車
のみが走って出て来れると言う状態でした。

田舎道を馬一頭で引く馬車が、ぬかるみの道をゆっくりと歩いて来る
様は牧歌的でした。わだちの跡がくっきりと残り、どこまでも田舎道
にレールの様に残っていました。大抵はそのような馬車は牛乳の缶を

沢山後ろの荷台に載せて、町外れの牛乳処理工場に運んでいま
した。そんな雨降り後に農作業が出来ずに、近くの小さな池がある所
に狩猟に歩いて出掛けていました。すれ違った乗馬の人が四匹ぐらい

のグレーハウンド種の足の長い犬を連れて歩いていました。アメリカ
ではバスの有名な看板犬としてバスの両側を飾っています。
何しろ犬の中で一番早く走る事が出来る犬です、ウサギ狩に使います

私は持参していた狩猟用の双眼鏡でジットその後を覗いていました。
先頭の犬がウサギを発見すると、先ずその犬だけが全速で追跡します、
他の三匹は後から付いて走り、遅れて乗馬でその犬達を追っていまし
た。

緊張した数分が過ぎ、先頭の犬が疲れて速力が落ちると、次ぎの犬が
交替で全速でウサギを追跡しています、ウサギは休む事も出来ずに、
広いパンパの草原をひたすら追跡され疲れはてて最後は三匹目の犬
辺りに追い付かれて、それで終りでした。

私も生まれて初めて見たグレーハウンド犬の狩猟でした。アルゼンチ
ンのパンパ草原での狩猟と感じましたが、その頃はパンパの大草原も
余り植林されていなくて、広々とした地平線までの広がりが望めまし
た。

今ではそのような事は望めませんが、二年前に訪ねた時に町の公園に
植えられていた並木が一抱えもある大木に成長していたのには驚き
ました。そしてどこにも馬車などは走ってはいませんでした。

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