私の還暦過去帳(158)
ここカリフォルニアも雨が良く降る様になりました。
今までは例年と比べて雨量は少ない様でしたが、ここ12月に入りかな
り降る様になりました。今日は気温も低目で一日、コタツに入っていま
した。これは金曜日の午後遅くから崩れてきて、土曜日は朝から降り出
して、とうとう日曜日も一日中、日本の梅雨時の様に大雨で、降ったり
やんだりの天気でした。
乾燥の激しい所に住んでみると分りますが、熱帯性気候でも乾燥地帯と
高温多湿の熱帯雨林の場所が有ります。一度、私が旅行した所で飛行機
から見たアマゾンのジャングルの凄さを見て、同乗していた2世のブラ
ジル日系人に聞いたら、ここはアマゾンの上流でペルー国境に近い世界
で一番雨量が多い所と話を聞きました。
うっそうと茂る原始林の緑濃い、密生したジャングルを眼下に見た時に
感じたのは、ここがあのアマゾン河の河口で、対岸が見えないくらいの
川幅の大河水源として雨が降り注ぐ大地と、目を皿の様にして窓から眺
めていましたが、その時写した写真を見ると、今でもその凄さを思い出
します。
私が南米で農業をしていた時代は、まだ肥沃な開発可能な土地がかなり
有りました。今ではそれも無くなり、過度の開発で環境の激変を憂いて
います。人間が自分達の生活の手段として開発して、自然を破壊してい
る事の自覚も無く、ただ利益追求の手段として、利用されていると感じ
ます。
37年前にアマゾン河中流のマナオスからベレンに夜間飛行で飛んだ時
に真っ暗な下界のジャングルの中が、鬼火が燃える様にチラチラと赤く
瞬いていた事を覚えています、それが延々と続いていたことは、いかに
多くのジャングルを焼き払っていたかと言う事です。それも食肉用に牧
場を切り開く為に開墾されていたのです。
ブラジルは現在では世界でも有数な食肉輸出国になっています。それと
大豆生産の為に切り開かれ1500万トンの大豆生産が行なわれ輸出さ
れています。中国はそのブラジル一国の全生産量を輸入しています。
世界は変わりつつ有ります、それも激変の変わりを予測することが出来
ます。
小さなパイを巨人が二人、世界の人口の半分を占めるインドと中国が食
いちぎる勢いで伸びています。日本は人口減少とそれに自国の自給生産
を28%以下に落とし、鉱物資源、石油資源の無さに加えて、穀物資源
の先細りも見えて来ました。1960年には75%近くあった自給率が
日本の産業の繁栄と正比例して落ちに落ち、下がりに下がった農業生産
率を思い、食として日本人の生命維持機構を他国に任せて、活きなけれ
ばならない政治と、その官僚が握る将来のプランを見て、日本のこれか
らの生きる源を憂い、悲しみ、悲観してばかりでは、これからは生きて
行けません。
牛肉の食肉として消費される日本国内の需要の20%近い数がアメリカ
産です。これまで50年近くの日本の農業の歴史を見て憂いだけが湧い
て来ます、50年近い昔ですが、その当時でも農業をすると言うだけ
で、変わり者扱いを受け、軽蔑された覚えが有ります。私が百姓をして
いる言うだけで『ゲラゲラ』と笑い出した友人も居ます。
『お前は彼女も恋人もつくれないぞ』と忠告してくれた人も居ます。
私が一番感じ、心に今でも思うのは、その様な思考をする人間を育てた
教育、家庭、社会環境に激しい、いきどうりを感じます。これからの
世界で日本が生き残るのは、また生き残れるのは、科学者を育てること
も大切ですが、土に命を賭けて生きる人間、その報いがある社会を作ら
ないと、日本と言う国が滅んでしまうと感じるこの頃です。
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