2012年1月28日土曜日

私の還暦過去帳(151)

今日の思い出語りは温泉のお話です。
それと言うのも先週の土曜日の朝からSanLuis Obispoという、
カリフォルニアでもだいぶ古くから開かれた温泉に娘夫婦に
招待されて行ったからです。

ちょうど娘の誕生日でしたので、そこまで約400Km離れていま
したが、お互いにそこで落ち合いまして、秋の温泉旅行を楽しむ
事になりました。娘夫妻と4名で土曜日の夜は誕生日パーテイを

楽しんで温泉につかり、私にしては30年以上も温泉などは縁が
なくて、期待して出掛けて行きました。娘が住んで居る所からは
2時間もかかりませんので、ちょくちょくと出掛けて行くようで

すが、娘は日本を訪問した時に味わった温泉の魅力を覚えていた
様で、近所に温泉を見つけると、喜んで訪ねて行った様です。
そんな事で、私もワイフも久しぶりの秋真っ盛り、紅葉の森の
中に有る温泉に期待して行きました。

土曜日の朝、9時に家を出ました。それからワイフの愛車で飛ば
して行きましたが、16年前の日本製の車です、ポンコツでは有
りません、メカニックが居ます、それは私ですが、いっも丁寧に

手入れしていますので、現在は16万5千キロは走っていますが
驚くなかれ、平均時速は135~140km/hで走って行きま
した。途中でトイレに立ち寄り10分間の休憩で、目的のホテル
に到着したのが12時半でした。

娘が驚いていましたが、歳は取ってもまだ運転は現役ですから、
慣れたものです。車も歳ですが電気関係は全部新品の部品ですか
ら安心して飛ばせました。5千キロでオイル交換しますが、

余りオイルも減る事も有りません、エンジンも元気で動いてくれ
ます。普段はワイフが運転していますので、ママ・タクシーで
ピカピカです。ホテルに到着して娘夫婦とランチを近所のレスト
ランで済ませまして、部屋に帰るとさっそくに温泉にドボン~!
と言う事にしました。

日本の様に岩ブロとかは有りませんので、ホテルの部屋のテラス
が大きく、8畳は有るかと思うくらいでしたが、そこにタブが置い
て有りまして、そこに温泉を溜めて入るのです、温泉をひねる

と硫黄臭い匂いのお湯がドバー!とほとぼり出て来てアッと言う
間にタブがお湯で一杯になりました。私と娘夫妻の部屋は二階
で隣り合わせでしたが、温泉は別に部屋ごとにタブが有りまして
各自のホット・タブで楽しむ事になりました。

最初はおそるおそると山の紅葉を見ながら首までお湯に浸かり
一瞬、『あー!』と溜め息ともつかぬ感激の声を出しました。
二階でテラスの外です、空気は澄み切って、すぐ側に巨木が有り、

そこの木陰から漏れる秋の日差しに紅葉が輝き、後は無言で
ワイフとジェット噴射の温泉を浴びながら湯船に寝ていました。
目をつぶりポカポカと暖かい温泉に浸っていると、昔の日本の

温泉の思い出や、アルゼンチンで40年も前に農業をしていた時代
に私が仕事をしていた農場のオーナーの奥さんがあだ名は『鬼婆』
と言われていました様にキツイ人でしたが、フフイ州の温泉に

泊りがけで出かけて帰って来たら、『ああー!日本を思い出した
郷里に帰って温泉に浸かり、美味しい刺身と寿司を食べたい』
と話して少し、しんみりとして落ち込んでいました。

日本人の胸の内深くに、どこかに温泉の暖かいお湯に浸り、心ま
で温まり満足して過ごした過去を覚えているからと思います。
パラグワイの隣り、アルゼンチンのミッショネス州で会った

老人が日本を出て一度も帰国する事なく、アルゼンチンに骨を埋
める何ヶ月か前に会った時、『一度、日本の温泉にゆっくりと入
りたいね~!』と話していた事を覚えています。

その時、私も温泉のお湯に浸りながら、心の幸せを噛み締めて、
目をつぶりながら、昔の事をドーッ!と思い出していました。
私も南米の暑い夏の日に、眠られぬ夜に思い出した事は日本の冬

に木枯らしが吹く中で、野天風呂の温泉の中でポカポカとゆだっ
て冷たいビールを飲んだ思いがこみ上げて来たのを覚えています。
温泉に浸かり、目をつぶり、メリケンの温泉で過去を思うなどと

40年前には想像もしなかった事が、今、自分で体験してなにか
不思議な感じでした。その後に少し昼寝をして、その夜は近所の
ホテルから10分ぐらいの所にある、剣(つるぎ)レストランで、
これまた美味しい日本食を食べ、寿司をつまんだ事も幸せでした。

   やれ涼し秋風まじりの寒風に
         紅葉吹雪のメリケン晴れ

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